第9章 正邦戦
ついにやってきた、準決勝の日。
そして、勝てば決勝。
皆、緊張しているのか、重い空気が流れる。
そんな中、リコ先輩が口を開いた。
リコ「全員ちょっと気負いすぎよ!元気が出るよーにご褒美考えたわ!」
ご褒美・・・?
リコ「次の試合に勝てたら・・・私が皆のほっぺにチューしたげる!」
「『ーーっ!?』」
リコ先輩の言葉におもわず私もふいちゃいそうになってしまった。
皆、何もいえない顔をしている。
リコ「・・・なによ。じゃっ、ちゃんからもよ!!」
「『えーーーっ!?』」
『ちょ、冗談ですよね!?ってか、皆いらないと思いますよ・・・。』
ね、テツヤ?と問いかければ、無反応。
テツヤ「(・・・さんの、チュー。)」
日向「(・・・こいつ、いつも一緒だから忘れがちだけど、ふつーに可愛いんだよな。)」
火神「(・・・この前もクラスの男子に告られてたって聞いたな・・・。)」
『・・・え、皆どーしたの?』
そんなに嫌だったのかな。
そしてリコ先輩がみんなの反応に頭がきたのか、ギャーギャーと騒ぎ出した。
そして落ち着いたころ、日向先輩が皆に言う。
日向「おっしゃ!行く前に改めて言っとく!」
皆が日向先輩を見る。
日向「正邦は強い。ぶっちゃけ去年のオレらはバスケが嫌いになって、もうちょいでバスケやめそうになった。」
その言葉を聞いて、先輩たちの顔は少し曇り、私も胸が痛んだ。
だけど、日向先輩は堂々と言った。
日向「去年とは同じにならねー!それだけは確信できるくらい強くなった自信があるからな。」
そして、いつも以上の気合の入った声で
日向「あとは勝つだけだ!!・・・行くぞ!!」
その言葉に答えるよう、
「「おぉ!!!!」」
私たちの団結した声が響いた。