第5章 黄瀬 涼太
帰り道、いろいろな話をした。
一人暮らしをしていることを話したら、今度絶対に会いに行くと宣言されてしまった。
もー少しで駅の改札に行き着く。
ふと涼太が足を止めた。
黄瀬「・・・もう足は大丈夫なんスか?」
『っ!?・・・えっと、』
私は、中学2年のときに交通事故に会い、右足に大きな怪我をした。
軽く走ったり、体育とかはできる。
でも、激しい運動は全くできなくなっていた。
『・・・バスケはできるよっ!』
そう言えば、涼太は笑って嬉しそーによかったッス!と言ってくれた。
黄瀬「ならまた、一緒にバスケできるんすねっ!!」
チクっと音がした。
それでも私は聞こえないふり。
『うん。』
そうこうしているうちに電車の時間が来て、涼太は改札へと走っていった。
そして入る直前に、こっちを振り向いた。
黄瀬「っち!!練習試合、俺らが勝ったらデートしてほしいっス!!」
じゃっ!!と、はにかんだ笑顔を残して、人ごみの中へと消えていった。
『・・・私の意見は無視かい。』
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その頃、誠凛高校バスケ部では、黒子がの事故について話していた。
黒子「・・・というわけです。」
リコ「そんなことがっ。」
黒子が言ったのは、
が「キセキの世代」と張り合える選手であったこと。
交通事故に会い、両親をなくしたこと。
そして、バスケ界から姿を消したこと。
火神「・・・じゃ、もうあいつの怪我は治ってるんだよな?」
黒子「・・・わからないんです、僕にも・・・。」
の足のことは、自身しかしらないのだった。