第20章 海合宿
もうすぐ皆のところへ着くとき、急に火神君は足を止めた。
『・・・どうしたの?』
火神「なぁ・・・。お前はあいつのこと・・・」
そう言って黙ってしまう。
あいつって・・・誰のこと?
『っねぇ、あいつって誰?』
そう素直に口に出したら、火神君は怒り出した。
火神「はぁ?あいつはあいつだよ!!」
『いやだから、名前を言ってくれなきゃわかんないってば!!』
火神「わかれよ!!」
『んな無茶な!!』
でも、心当たりはある。
私はその人の名前を口にする。
『もしかして・・・真太郎?』
少しの間、沈黙が流れ、火神君はあぁ。と肯定した。
『真太郎が・・・何?』
そう聞けば、あ~と今度はうなり始める。
火神「~~っ、お前!!敵のやつと仲良く馴れ合ってんなよ!!」
『・・・はい?』
敵って・・・そりゃ高校違うしそうだけど。
今は試合中じゃないし・・・。
『なんでダメなの?別に今戦ってるわけじゃ・・・』
火神「よかねーよ!!な・・・名前で呼んだり、なんか気にくわねーんだよ!・・・あ。」
『なま・・え。・・・もしかして、』
ヤキモチ・・・なわけないか。
きっと火神君のほうが仲間なのに、真太郎って呼んでるから気に食わないんだろうな。という考えに行き着いた。
『(なんだ、可愛いな~火神君。)よし、わかった。』
火神「・・・?」
『私のこと、名前で呼んでね!大我!!』
そう言えば、火神君・・・じゃなくて大我はビックリした顔をした。
でも、さっきまでの怒った顔は消えた。
火神「・・・おう。」
こうして、私と大我の仲は深まった・・・のかな。