第10章 永遠に共に
第二試合は幸村対政宗
この二人なんか似てるところがあるのか
いくら打ち合いをしてもぜんぜん決着がつかない
「どうした真田!!そんなんじゃこの俺は倒せねえぞっ!!」
「うっせえ独眼竜!
その鼻っ柱叩き折ってやるよっ!!」
しかもとにかく二人とも煩い
「謙信様どうぞ
先日手に入れた幻の酒です」
「・・・・・美味い」
「佐助~甘味はないのか?」
「信玄様にはこちららを」
佐助は謙信の機嫌取りをし
どさくさに紛れて信玄様は
佐助から甘味を貰っていた
「家康様がいらっしゃりませんね」
「家康なら帰っちゃったよ
"付き合いきれない"って」
「ならば俺もそろそろ仕事に戻るか
椿、ちゃんと秀吉の面倒を見てやれ」
「おいっ光秀!!」
「私はお茶でもお持ち致します」
「えっ!三成君には無理だと・・・・
行っちゃった・・・・大丈夫かな?」
一人また一人と出ていった
それから四半刻、結局勝敗が決まらず
この試合も引き分けに終わった
「久々に面白れぇ鍛錬だった
で、次はだれが出てくるんだ?甲斐の虎か?」
「それは無かろう」
政宗の問いに答えたのは信長
その視線の先には幸村に首根っこを掴まれ
引きずられて出て行く姿が目に入った
「おっ軍神のお出ましか」
ゆらりと立ち上がった謙信は信長を睨みつけた
信長は楽しそうに笑みを浮かべた
「貴様の相手は俺ではない
葉月、お前が相手をしろ」
『ええっ!!』
「勝てば自由を手にし
負ければ軍神の物になるだけだ」
「葉月は今もこれからも俺の物だ」
当然だと言うように言い放った言葉に
葉月は顔を赤く染めて蹲ってしまった
その結果、謙信の不戦敗で試合は幕を下ろした