第10章 永遠に共に
『椿~~』
「ハイハイ」
抱きつぶされて丸一日寝て過ごした葉月は
また謙信に隠れて春日山城を抜け出し
安土城の椿の部屋へと駆け込んできた
『暫くかくまって!』
「私は良いけど
ちゃんと信長様にお願いしないとダメだよ
ね?葉月ちゃん」
『うぅ~分かった、ちゃんと言うよ
だから椿も一緒に来て』
「ハイハイ」
重い足を引きずって椿と一緒に
みんなが居る広間へと歩き出した
「葉月また帰って来たのか」
「今度は何があったんだ?」
「葉月また一人で帰って来たのか!」
「おかえりなさいませ葉月様」
「はあ・・・・面倒くさ」
広間に入った瞬間にみんなの楽しそうな声がかかった
「今度も早い帰りだな葉月」
その中でも一番愉しそうなのは
ニヤリと笑った信長だった
『うぅ、すみませんっただいまです
あの~信長さま暫くここにおいてもらえません?』
「それは話を聞いてからだ
で、あやつは貴様に何をしたのだ?」
『えっ!!そ、それは・・・・・』
夜の営みが辛い!などと言えるわけもなく
どうしようかと目線をさまよわせた
「夜伽が激しい・・・とかか~?」
『っ!?』
にやにやと笑いながら政宗が発した言葉に
ぼぼっと瞬時に顔が真っ赤になった
「くくっその反応だと図星か葉月」
『な、何言ってるんですか?
そんなことは・・・・・』
「ない。と言えるのか?」
「止めろ光秀!」
『うぅ~光秀さん意地悪です!!』
「それで逃げ出してきたと」
『理由は察して聞かないで・・・・
兎に角、暫くかくまって下さい!!』