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イケメン戦国〔瞳に魅せられて〕

第8章 軍神と魔王


「見てわからんのか
餌付けをしている」


四つん這いの状態でモグモグと咀嚼し飲み込んだ葉月の口元に
信長が新たに甘味を持っていくと嬉しそうにパクリと食いついた


「餌付け・・・だと」


「まだ主人を決めていない猫なら俺が主人になってやろう
どこぞの男に懐く前にな」


ニヤニヤと悪い笑みを浮かべながら
小さめに千切った甘味を葉月の口に指ごと押し込んだ


反射的に甘味を噛まずに飲み込むが
口内に押し入った指は出ていく気配がない


『ぷはっ!
信長さま指はいりません甘味を下さ・・・きゃ!』


「迎えに来たぞ葉月
甘味なら俺が手ずから喰わせてやる」


『えええ!?ちょっと待ってください謙信さま!
近い!近いです!!離してください!!?』


謙信は四つん這いになっていた
葉月の腰に手を回して自分の胸の中におさめた
いきなりの事に葉月は真っ赤になって慌てふためいた


「信長、貴様は不要だ
葉月は春日山城へ連れ帰る」


「軍神、貴様が主人にでもなるつもりか?
葉月は織田家縁の姫、人質に出したが
貴様にやるとは一言も言ってはおらぬぞ」


「・・・・・貴様に葉月を貰う許しを請えと」


「ふっそうだな貴様の敵である俺は葉月の唯一の肉親
その俺に貴様が許しを請うか・・・・・
それもまた一興だな」


「その言葉に一つ訂正があります」


楽しそうに笑う信長と冷めた視線を向ける謙信
突然の声にも二人は驚くことは無かった


「・・・佐助か降りて来い」


失礼しますと音もなく降りてきた佐助は
姿勢を正し信長と謙信の前に膝をついた


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