第8章 軍神と魔王
『美味しい~
やっぱり政宗のご飯が一番だね!』
武将たちが集まる広間で久しぶりに
政宗の手料理に舌鼓をうっていた
「そうだろう
俺のとこに来たら毎日旨い飯が食えるぞ?」
「政宗っ!」
『アハハ、いかな~い』
投げかけられる冗談を軽くかわし
もぐもぐとご飯を頬張る
「俺のところはどうだ?」
『えっ嫌です』
「・・・・瞬殺」
「では葉月よ
誰のところへなら嫁ぐのだ?」
『へっ?
な、なんでそんな話に・・・』
口元に笑みを浮かべて愉しげに問いかける信長
「お話し中失礼いたします」
『佐助っ!』
和やかな雰囲気で朝餉を食べていたが
天井からの侵入者のせいで緊張が走った
「おはよう佐助くん」
「おはよう椿さん」
「葉月に椿、知り合いか?」
「うん。佐助くんは・・・」
「その話はまた今度で
今は急ぎの伝言が・・・・」
佐助が話し出したその時
ばたばたと廊下を走ってくる足音が近づいてきた
「の、信長さま!!」
息を切らして広間に走り込んできた
「何事だ」
「え・・・・」
「もう来たみたいだ
姉さん頑張って」
そう言うと来たとき同様
佐助は音もなく帰っていった
「越後の龍が乗り込んできました!?」
「ほぉ、そうきたか」
「のんびりしていていいのか葉月?」
急いで立ち上がり広間を飛び出した
「葉月、甘味はいらねえのか?」
『後で食べるから置いといて!?』
了解っと言う政宗の声を聞き
入り口とは反対方向へと走り去った