第8章 軍神と魔王
「早い帰りだな葉月」
『は、早いですか信長さま?
もう春になりますよ?』
葉月が春日山城に行ったのは
初秋の頃であれからすでに半年近く
春日山城で過ごしていた
「葉月お前馬に乗れるんだな」
『えっと・・・け、謙信さまに教えてもらったの』
「あいつが女に教えるとはな」
『本当は佐助に教えてもらおうと思ったんだけど
何故か謙信さまが"教えてやる"って』
「ずいぶんと軍神に好かれたものだな葉月」
『そんなことは・・・・・』
ニヤニヤと笑う信長と光秀
「そんなことよりも葉月!
お前は一人で馬に乗ってくるなんて
なに考えてるんだ、危ないだろう!!」
「ほんと、良く無事だったね」
反対側からは秀吉の怒りの雷と
ため息を吐き呆れ返った家康
「お元気そうで成りよりです」
にこにこと笑みを浮かべる三成
「良いな葉月ちゃん私も習おうかな?」
と独り言を呟く椿
「まあいい
葉月よ疲れただろう
今日はゆっくり休むがいい」
『はい。ありがとうございます』
確かに慣れない馬を操り走り抜いたため
信長の言葉にお礼をいい椿と広間を出ていった
「全くとんだじゃじゃ馬だな」
「アイツを選んで正解だったな」
「二人とも笑い事じゃ無いです
葉月は人質ですよ」
「そうだぞ!
文もなく急に一人で帰ってくるなど
あっちで何かあったに違いない!!」
「煩いぞ猿
さて、人質を逃がしたあやつが
どうでるか見物だな」
そんな会話が葉月たちが
出ていったあとの広間で話されていた