第7章 秘密と軍神
「佐助そこになおれ」
手に抜き身の刀を持ち
佐助の部屋の襖を勢いよく開いた
佐助は素早く体制を整え身構える
「遅かったですね謙信様」
「貴様主人を置いて先に帰るとはどういうつもりだ」
「あの場に居ると大惨事になり兼ねないと判断しました」
会話をしながら刀で斬りかかっていくが
それを難なく交わしていく佐助
さすが日々鍛練と言い刀を交えているだけはある
「話は変わりますが、お聞きになりましたか?」
「なんの話だ」
意味がわからずに眉間に皺がよる
「聞いてないのならおれから話すことはありません
ところでねぇ・・・・いえ葉月さんは広間ですか?」
「・・・・お前はあの女と知り合いか」
「謙信様それは・・・・・」
「それは?」
「企業秘密です」
人差指を口に当てて無表情で答えた佐助に
謙信はピクリと眉を動かし無言で刀を振り下ろした
自分の知らない葉月を知っていることに
無性にイラつきを覚えた謙信は
それから四半刻の間、佐助を執拗に追いかけた