第5章 身代わりの姫君
「謙信お前は行かないのか?」
ここは安土城下にある隠れ家
今日これから春日山城へ引き渡す人質を
貰い受けに安土城に行く
「なぜこの俺が信長の城になど
行かねばならんのだ」
「敵の城に入れるなんて滅多にないぞ」
休戦協定を結んでいるとは言え
こんなに堂々と敵の城に入れることはない
「貴様らだけで行ってこい」
「ハイハイ分かりました
佐助はどうする?」
「もちろん行きます
では謙信様くれぐれも
騒ぎを起こさないようお願いします」
隠れ後を出て城に向かうが
途中で佐助は姿を消した
「ようこそお持ちいたしておりました」
三成が入り口で出迎え信玄と幸村を広間へと案内した
「なんだ謙信は来なかったのか」
「お前の城にいくのは嫌だとさ」
「ふっあやつらしいな」
「それで、誰が来るんだ
まさか信長自ら来るのか?」
「ふざけるな!信長様が行くわけがないだろ!!」
ニヤリと笑う信玄に秀吉は即座に噛みついた
「控えろ秀吉」
「はっ!申し訳ございません」
秀吉は信長に嗜まれ口を閉じた
「誰でも良いからさっさと出してくれよ」
「いやいや幸ここは可愛い姫が・・・・」
「うっさい!
話がややこしくなるからあんたは黙ってろ!!
大体女なんか連れて帰ったらどうなることか!?」
「間違いなくキレるな」
にこにこと呑気に笑う信玄に
幸村はがっくり肩を落とした
「大変だな真田
だが俺も男よりも女の方が良いぞ」
「まあ、どんな女かにもよるがな」
ニヤリと笑いながら話に参戦する政宗と光秀に
幸村はさらに頭を抱えた
「信長様お連れ致しました」
「そのまま少し待て」
「はい」
「さて、無駄話はここまでだ」
その声を聞き武将たちが信長に視線を送った
「我が織田からそちらに引き渡す者を紹介してやる」
入れと信長の声に応じ広間の襖が静かに開いた