Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第7章 ホームズと、ワトソン?【工藤新一】
「先輩、何か欲しいものとかあります?」
最近ずっと気にかかってた事を先輩にぶつけてみた。
ちなみに今は、先輩の家のリビングにて、宿題を並べて広げ、のんびり片付けている所だ。
「・・・しいて言うなら、難事件の捜査依頼かー?」
「それ不謹慎ですよ」
「そりゃそーだけどよ、急にどした?」
「だって・・・その、もうすぐ先輩誕生日じゃないですか」
「知ってたのか」
「知ってますよー・・・」(先輩のファンなんだから当然だ)
「そーゆーことなら・・・」
先輩が何やら考え込む。あんまり物欲無いのかな?
「お前と一緒にいる時間が欲しい」
「へっ?今だって一緒にいるじゃないですか」
「その日は泊まりに来いよ」
「・・・おとまり、ですか」
「そうだ、の一日全部俺にくれ」
・・・お泊まり。
頬が、ものすごい速さで熱を持ち出す。その頬に先輩の手が添えられて、唇が重なる。
思考回路がショートしかけている。
「いいな?」
「・・・はい」
いくら男の子とのあれこれが未経験だった私でも、異性と一晩過ごしたら何があるのか位は知っている。
それに最近、工藤先輩はキスしながら私の身体に触れてくることが多くて。この前なんて腰に手を回されて背中を撫でられ・・・身体が固まってしばらく動けなくなってしまった。
まあ、だから、いつかはそういうことも・・・あるのかもしれない、と思ってはいたけど・・・
今だって、頬に置かれていた手が首すじを撫でて、首の後ろの方へ滑っていく。軽く引き寄せられて、もう一度キスされて。
身体が離れて、もう一度テーブルに向き直るけど・・・もう宿題なんてできる状態じゃなかった。
その日の夜は早速この前もお世話になったマネージャーの先輩に電話相談である。
今まではそういう類の話って、恥ずかしくて聞いてられなくて避けてばかりだったけど、そんな場合じゃない。
ちなみにこの先輩は、更に一つ年上のサッカー部のキャプテンだった人と付き合ってて・・・所謂“そういうこと”も全部経験済みなんだそうで・・・
聞くだけでも相当恥ずかしいんだけど、思い切って聞いてみる。
“そういうこと”になったら自分はどうすればいいのか。