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Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】

第7章 ホームズと、ワトソン?【工藤新一】


「ごめんなさい、私、好きな人がいるから・・・」

「・・・でも彼氏いないんだろ?俺、好きになってもらえるように頑張るから」

「え、っと・・・あの・・・ごめんなさ」

「俺のどこがダメ?」

「へ?」


しつこい人だ。立ち去ろうと校舎の方を向けば腕を掴まれて。
昨日工藤先輩に腕を掴まれたのとは全然違う。比べ物にならないぐらい嫌な気分だ。

どうしたもんか・・・と思ったその時。


校舎の中、廊下の遠くに歩いている工藤先輩の姿が見えて。

彼は私のクラスの前で教室の中を見渡した後、こちらに顔を向けてきて・・・目が合った気がする。

・・・こんなとこ、できれば見られたくない。

だけど、先輩はどんどんこちらに近付いてくる。もう完全に気付かれてる。


「ねえさん、こっち向いてよ」

「あの・・・離して」


ついに工藤先輩がこちらへ通じる引き戸を開け外に出てきて、ご対面である。


「、取り込み中か?」

「いえ、その・・・」

「工藤新一さん、ですよね、さんは今俺と取り込み中なんです」

「でも嫌がってるだろ、手、離してやれ」

「ちょっと有名人だからっていい気にならないでくださいよ」

「コイツは俺のもんだから、離れろ」

「どうしてあなたにそんな事言われなきゃならないんですか」

「・・・彼氏だからだ。な?」


・・・今“彼氏”って、言った!?・・・言った。
ビックリしすぎて言葉に詰まり、とりあえずコクリと頷くことしかできない。


「・・・本当にそうなのか?さん」


もう一度、頷く。


「なら邪魔者は俺ってことか・・・悪かったね、時間取らせて」


先輩が出てきた時こそ怪訝そうな顔付きだったの男の子は、気の抜けたような表情に変わり。校舎の中へ戻っていった。


「言っただろ?昨日、気ぃ付けろって」

「今のは・・・あ、でも、そうですね・・・」

「お前が俺のことでメソメソしてるっつーから来てみればこれだ」

「あ・・・聞いたんですか?」

「さっきな。にハッキリ言ってやれって。やっぱ言わなきゃ分かんねーか」

「私は・・・初めてのことばっかりで分からないことだらけです・・・」


モジモジと、真新しい制服の裾を掴む。


「一回しか言わねーからな、よく聞け」
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