Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第7章 ホームズと、ワトソン?【工藤新一】
「まっ、とりあえず食うか」
「はいっ!」
わたしは家族の作ってくれたお弁当を広げ。工藤先輩はどこかで買ってきたらしきパンやらを袋から出して食べ始める。
食べ始めたのだが。工藤先輩と二人きりで食事なんてよく考えたら初めてなのだ。(完全に二人きりでもないけど)
それに気付いてから一気に緊張してしまって・・・どうしよう、お弁当が喉を通らない。
「腹減ってねぇのか?」
「い、いえ!そんなことはないんですけど・・・なんか・・・」
「じゃ、コレくれよ。うまそー」
「あ、はい!どうぞ・・・」
工藤先輩がわたしのお弁当箱に手を伸ばし、おかずをひょいと摘んで、そのままそれは口へと吸い込まれていった。
「うん、うめーな」
「それはよかったです」
パクパク次々美味しそうにパンを飲み込んでいく先輩に対して、私はぎこちなく箸を進めながらなんとか食べ終わり、お弁当箱を片付ける。
「・・・それでな、、話があんだけどなー・・・」
「はーい!なんですかぁー?くどーせんぱいっ」(これは私ではない)
「えっ?」
中道先輩達が私達の机の周りに集まりだし、ガヤガヤ騒ぎ出す・・・
「っるせーな!どっか行け!おめぇら・・・俺はに話があんだって」
「へぇー?何の話でしょーね、、頑張れよっ」
「へっ!?はい!中道先輩・・・」
中道先輩に肩をバシッと叩かれる。そしてみんな教室の外へ出ていき。いよいよ緊張も最高潮、誰もいない教室に先輩と二人きりだ・・・
「ジャマが入ったな・・・それで、に言いたかったことっつーのはだな・・・」
「はい・・・」
「・・・お前、俺の助手やんねーか?」
・・・意味がよく分からなくて目を見開きポカンとしてしまう。
でも先輩はいたって真面目な顔をしてる。
「部活、しねーんだろ?」
「その、つもりです、あの?何か他の部活の勧誘ですか?」
「ちげーよ!俺の、助手。探偵の助手」
「・・・わたしがですか?」
「元マネージャーだろ?サポート役にピッタリじゃねーか。嫌か?」
「全然!」
ブンブンと頭を横に振る。先輩といられるなら、嫌な訳がない。
「決まりだな。早速だけど放課後ウチ来いよ、家知ってるよな?」
「はい!覚えてます!分かりました!」