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Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】

第38章 Top priority -最優先事項-【降谷零】


警察の職に誇りは持っている。職務を全うする為なら自己犠牲も厭わない。
だけど昔からのことが絡むと、それとは逆のことを考えてしまうことも…少なからずある。

例えば僕が所謂普通のサラリーマンだったら、毎週末とゆっくりデートしたり、遠くまで旅行に出掛けることも難なく叶うんだろう。

まあ、そもそも警察官にならなければと出会うこともなかった訳で、そして彼女も元警察官だから、この特殊な勤務体系の仕事も理解してもらえている訳だが……

でもに寂しい思いをさせていないか、そんな不安がいつも自分の胸のどこかに潜んでいる。は僕の手前ではいつも気丈に振る舞ってるけど、本当はいろんなことを我慢してるんじゃないかって……

遠くに出掛けたいとか、旅行に行きたいだとか…そういう類の話が彼女の口から出てきた事はない。

そんな滅多にワガママを言わないが、“僕と花火に行きたい”と言った。


と花火……浴衣姿のと花火……是が非でも行きたい……(僕は花火よりも彼女の浴衣姿が見てみたい)




彼女のマンションを出てから、寮に戻ってしばらく経った今も、スマホで花火大会の情報をひたすら検索している。

都内の有名所の花火大会は、あまり現実的ではないか。でも隣県まで範囲を広げれば……毎週末どこかしらで花火大会はあるよう。

ベッドに寝転び、頭の中で計画を練り上げていくも……さっきまでこの腕の中にいたの裸体が何度も頭に浮かんできては思考を邪魔する。

頭を左右に振り、気を取り直す……

一番の問題は自分の休暇が取れるか否かだ…

休暇を確定的なものにするには、先輩から聞いた“あの手”を使うのがいいだろうとは思うが……果たしてどうなるか……
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