Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第37章 その唇、食べちゃいたい。【萩原研二】
そんなナンパまがいの出会い方をした私達は……その後食事に行って、その日からお付き合いすることになった。
それから数ヶ月が過ぎ、することも色々済ませた、特に問題もなく、至って順調だと言える。
研二くんはノリこそ軽いけど…ちゃんと私のこと好きだっていうのは伝わってくるし、いつだってすごく優しいし…知り合えて本当によかったと思ってる。
まあ悪い所があるとすれば、彼がおそらく大の女の子好きであることくらいか……
この前のデートの時、ミニスカートの女の子をしばらく目で追ってたの、知ってるんだから……
その前だって胸元の開いた服を着た女の子を嬉しそうな顔でジーッと見てたし……その前も……
今日は私も研二くんもお休み。景色の良い所までドライブデートの予定。
何を着ていこうか、朝から鏡の前で一人唸っていた……
先日悩みに悩んで買った服を着てみる。普段選ぶことはまずない、短い丈のスカートだ……
こんなに脚を出すのは慣れてなくて恥ずかしい…けど…私だって研二くんが思わず目で追っちゃうような女の子になりたい……
やっぱり辞めよう、いや、辞めるのを辞めよう、を数回繰り返し……履いていく覚悟を決めた。
午前10時、約束の時間になり、研二くんが車で家の前まで迎えに来てくれて。ちょっとソワソワしつつ助手席に乗り込んだ。
「おはよう、研二くん」
「お…はッ!?ちゃん!?ちょっと待って!何その格好!」
「スカートのこと、だよね?…ヘン、じゃない…?」
「めちゃくちゃイイ……ヤバい……良すぎる……しかも生脚って…サイコーすぎる……」
研二くんは、目を見開いて食い付いてきた。分かりやすくて笑えてくる。作戦は成功…なのか。
「あ、ありがと…褒めてくれてる、んだよね?」
「もっちろん!でもどーしたの…いつもそんなの着ないじゃん」
「たまにはいいかなーって。研二くんこういうの好きそうだし」
「好き好き…大好きすぎてもう…そりゃ…ドライブなんてどーでもよくなってくるくらいに」
「えー…行こうよ、ドライブ」
「あー……うん……」
車が走り出す。今日は天気もいいし、絶好のドライブデート日和だ。作戦の成功も相まって気分はすこぶる良い。
ちなみに目的地は隣県の花畑が有名な公園だ。