Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第35章 ヒミツの約束【快斗/キッド】
ハンバーグを作ることに決まり、早速快斗さんと近所のスーパーへ歩いて向かった。二人で夕食のお買い物だなんて、なんだか夫婦にでもなったみたいでちょっと照れくさい…
食材に加えてお菓子やジュースまでたっぷり買い込んだから、買い物袋は結構重たい筈なのに…快斗さんはそれを軽々と一人で持ってくれて。当然と言えば当然なのだけど、やっぱり男の人なんだなぁ…って思わずにはいられなくて。
終始一人でずっとドキドキしてた気がする…
家に戻って、冷蔵庫に買ってきた物を入れていく。
「お肉はココで…野菜はココでいいですよね?」
「ああ。つーか俺…女と二人で料理なんて初めてだわ」
「そうなんですか…!私も初めて…」
「逆にが初めてじゃなかったらビックリだな」
「そ!それは…当たり前じゃないですか…快斗さんとしか付き合ったことないんだし…」
「…俺が全部初めて?」
「うん…」
「なんかいーよな。全部俺だけって」
「そ、そうですか…?…っ!」
急に後ろから快斗さんに腕を回されふわりと抱き締められて、息が止まりそうになった。微妙に触れている背中が、熱をもってくるよう…
「これからもぜーんぶ俺にくれよ…?」
「も、もちろん、です……」
心臓が飛び出そうで……早く離れてほしいような、離れてほしくないような……
快斗さんが離れるまで、キュッと自分の服の裾を握って、奥歯を噛み締めていた……
夕方頃から二人でハンバーグを作り、食べて、片付けて。(ハンバーグは中々上手にできて、おまけにすごく美味しかった!)
今はリビングのふっかふかのソファに座って、映画を見ている。
映画も面白いけど、外はもう真っ暗なのに、快斗さんと居れる時間がまだまだあることが嬉しくて仕方ない。
「こんなにずっと一緒にいられるのも初めてですね!」
「ん?あー、そーだな…これ終わったら風呂入るか…」
「は、はい……」
だけど隣の快斗さんはあんまり楽しくなさそうに見えて…胸がキュウっと締め付けられる……私、何か変なことしてしまっただろうか?
「あの…」
「…ん?」
「私、何か変ですか?」
「別に、いつもと変わんねーと思うけど」
「そう、ですか…」
分からない。快斗さんはいつもと明らかに違う。機嫌があまりよくなさそうなのが、不安で堪らない。