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Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】

第35章 ヒミツの約束【快斗/キッド】


校内を走って走って、ギリギリで教科担任よりも先に教室に滑り込み、午後の授業には間に合った。

席に着きホッとしたのも束の間、友人達からの熱い視線で彼女達が私の話を聞きたがってるのは明らかだった。

廊下をダッシュしたせいか、直前の出来事のせいか、心臓がずっとバクバク動いたまま授業が始まり……

そんな状態じゃもちろん授業なんて手に付かず、終いには皆の前で教師に怒られ……

それも終わって休み時間になったと同時に友達に囲まれ、私はさっきの出来事を事細かに白状させられた。

ほかの関係ない子達にまで聞こえてしまうのでは…ってくらい大声でキャーキャー騒がれ、もう参った……




快斗さんと私はつまり…“彼氏と彼女”になったみたいだ。




それからは、図書当番のシフトを快斗さんが無理矢理変えさせたみたいで、毎回二人で当番に入れることになって…
当番が終わった後は、カウンター裏の図書準備室へ入って、時間の許す限りお喋りして。

お弁当を食べ終わった後の昼休みをちょくちょく“秘密の部屋”で二人で過ごすようにもなり。部屋には私用の新しいクッションが増えた。(毎度午後の授業をサボろうとする快斗さんを起こすのがちょっと大変)

知らない女の先輩達に「快斗の彼女ってアンタ?」って囲まれてビクッとしたこともあったけど、幸い怖い思いはしなくて済んで……むしろ今は“快斗の彼女”として可愛がってもらえてて。

念願だった初めてのデートも出来た。快斗さんはバイクを持ってて、その後ろに乗せてもらって少し遠くへ出掛けたんだけど、バイク自体も初めてだし、運転する彼に後ろから抱きつく(?)なんてことも初めてだったし…手を繋いで外を歩くのも初めてで……あの日は初めて尽くしでドキドキしっぱなしの1日だった。


自分で言うのも変だけど、実に順調……


ただ、自分がどんどん欲張りになっていってる気がする。放課後でも、デートの後でも、たっくさん喋った後なのに、それでもまだ一緒にいたくて、いつも帰りたくなくなる……帰らなきゃ家族が煩いから渋々帰るけど。

快斗さんは「ウチ来るか?」とか「いつまででもいてもらって構わねーけど」って言ってはくれる。私だって出来るならずっと一緒にいたい……


でも誰にも言えない気がかりなこともひとつ。

キッドの魔法(?)はいつまで続いてくれるんだろうか。
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