Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第34章 蜜月旅行のその後は【赤井秀一】
あの旅行から帰ってきて、何もないままついに一週間余りが経過した。
今まで自分の性欲について考えたことなんてなかったけど……どうも今夜は身体がムラムラしてるというか、ウズウズしてるというか……変な感じで居心地が悪い。
そしてこんな事態になって気付いたことがひとつ。わたし、自分から男の人をベッドに誘ったことがない。
思い切って誘ってみるべきか……でも、“エッチしたいけどアレは挿れないでね”なんて誘い方は、すごく矛盾してるとも思う。
今夜も秀一さんは何もしてこないつもりなんだろうか………どうする。
いつものように夕食とお風呂を済ませ、現在リビングで秀一さんと二人、ソファに座りのんびりとしている。
そういえば最近秀一さんは、あまりお酒を飲まなくなった。今日なんて、一滴足りとも飲んでない。
「ねえ秀一さん…?」
「…ん?」
「今日はお酒飲まないんですか?もしわたしに気を使ってくれてるんなら、気にしなくて大丈夫だから…」
「ああ……別に俺は無理に控えている訳でもないんだぞ。飲みたくなれば飲む…」
そうなのか……でもアルコールがそうなら、セックスはどうなのだ。
「そう……じゃあ、あの………エッチは…?したくならないの?」
「………妊娠中は控えた方がいいんだろう?」
「そっ!そう!そうなんですけど……でも……」
「……はしたいのか?」
「ぇ……それは……その……あの……」
「……そんな顔をされるとこちらの理性が保てなくなりそうなんだが。俺だって本当はしたいに決まっている」
「じゃ、じゃあ!……わたしが、するから……我慢しないで……」
「がナニをしてくれるんだ……?」
「……えっと……勉強…したんです……やっぱり中に入れて激しく動くのはダメみたいなんだけど…ほかにも色々……」
勢いに任せて言ってしまったけど、顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。何度も恥ずかしい所なんて見られてるのに、恥ずかしい……
「色々あるのか?」
「そうなんです……いろいろ……上手くできるかは、分からないけど…」
「……ではお手並み拝見といこうか」
秀一さんはソファにどっかりと座り直し、背もたれの上に両腕を広げ、わたしを挑発するように笑う。
ゴクリと唾を呑み込み…意を決して彼の上に跨った。