Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第34章 蜜月旅行のその後は【赤井秀一】
夕食を食べて順番にお風呂に入った後は、リビングで寛ぐ、いつものゆったりとした夜の時間。
昨日はセックスしてないから、今日はするかな…なんて思いを抱きつつ、もしそうなったら彼に伝えなきゃならない事をいつ伝えるかで頭の中はいっぱいだ…
子供がいるかもってことを考慮するなら、これまでと同じようにはしないで欲しいこと……
わたしが口とか手でしてもいいし…
挿れなくても気持ちよくなれるやり方もある…
けどまだ妊娠したかも分からないんだし、中々言い出すタイミングも見つけられず。
さして関係のない会話ばかりが続く。
「今日桜の下まで散歩してきたらね!もう明日にでも咲きそうで!」
「…花見が楽しみだな」
「はい!…アメリカでお花見できるとは思ってなかったなぁ…」
「そうか?ロンドンにも桜はあるぞ」
「え!そうなの!…ロンドンも…行ってみたいなぁ…」
ソファに二人並んでぼーっとテレビを眺めていると……秀一さんの腕がわたしの肩に回ってきた。縮まった距離に少し身体が緊張する。
きっとその内そういう流れになるだろう……
と、思ったのに。秀一さんがそれ以上わたしの身体に触れてくることはなく。
そこそこの時間になって二人してベッドに入り、キスをしたけどそれは唇に触れるだけ。
身体に腕を回されふわりと抱き締められるけど、それもそれだけ。
……今日はしないみたいだ。
拍子抜けしてしまった。まあ、また近い内に、伝えよう。
だけど……何事もない、そんな夜がそれからなんと四日も続いた。
今まで物理的に無理だった時を除いて、こんなに日を空けたことはない。
秀一さんはもしかして、気を使ってくれてるのか。
でも、あの秀一さんが何日もしないで大丈夫なのか…?
まさか浮気してるとか……風俗とか……無いよね……?
今度は別の不安が胸に渦巻き出した。
お酒でも飲んで酔っ払ってしまえたら、ストレートに聞けるのかもしれないけど……あの日からわたしは一滴も飲んでないしもちろん飲むつもりもない。
こんなこと、誰かに相談するにしたって日本の友達とは起きてる時間も合わないし……ジョディさんはいつも良くしてくれるけど(秀一さんの元恋人だから)聞くのは気まずすぎる、有希子さんにもこういう類の話は聞き辛い。
悶々とした思いを抱えながらこの日も眠りについた。