Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第33章 助けたアイツが嫁になった【松田陣平】
いつもの警らルートを回りがてら、自宅マンションの下まで来た。上を見れば俺らの部屋の電気は……消えている。はもう寝ちまったのか。
しかしせっかく来たんだ、寝顔くらい拝んで帰るか……
マンションに入り、施錠された自宅の玄関の扉を開け、を起こさねーよう中へそっと入る。
が。
真っ暗な家の中から、小型のモーター音とが呻くような声が聞こえて身体が固まる。
聴覚を研ぎ澄ませ、少し考えれば、音の原因に検討はついた……ついたが……まさかが使ってんのか?
ドクリと大きく跳ねた、自分の心臓の音まで聞こえた気がした。
目を凝らし足音を殺しリビングに入るがアイツはいねえ。の飲んだものだと思われる酒の缶がテーブルに置かれてんのが妙に目立つ。いつものアイツならゴミはちゃんと片付けてるだろーに。
音は寝室からだ。呻き声かと思われたの声は、今やどう考えてもアノ時の喘ぐ声にしか聞こえない。
「んっ…あぁぁ……っ、じん、ぺ…さん…っあぁ…」
おいおい、マジか……は俺の名前を呼びながらオナってんのか。すげー現場に遭遇しちまった……
さっきまで冷え切ってたはずの身体も、すっかり興奮してむしろ熱くなってきた……
寝室へ続く扉の前で立ち止まり、息を殺して中の様子に聞き耳を立てる。中が見たい、でも見てもいいもんなのか。分からねぇ……
「ああぁっ…あぁっ!あぁぁ…きもちぃ…じんぺ、さ…んぁ…あぁきもちいい…」
愛して止まないの甘い声に、唸り続けるモーター音、ベッドが小さく軋む音……あー……やっぱ限界だ。
扉を開け、ズカズカと部屋に入り込む。
目に飛び込んできたのは、この寒いのに服も着ずに仰向けでベッドに寝ている。股の方へ伸びている片方の手には、久しぶりに見る小せえオモチャ。やっぱコレがモーター音の根源だったな。
「キャ……ッ!!!…じ!じ、んぺ…さん……」