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Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】

第33章 助けたアイツが嫁になった【松田陣平】


年が明けてしばらく経って、暦の上ではもう春…だけどまだまだ寒さが続いている今日この頃。


夕方、私が仕事を終えて帰ってくると、本日夜勤の陣平さんは私と入れ替わるように家を出ていって。現在家には私ひとりきり。

夕食もお風呂も寝支度も一通り済ませて、リビングのソファに座りながらお酒を片手にテレビに映る映画をぼんやり見ていた。


陣平さんは今頃何してるかな……まあ、タバコ吸ってるか、ケータイいじってるか、寝てるか……いや、通報があったら駆け付けてる所かもしれない……

この辺りは割と治安は良いらしいけど、絶対安全とは言えない。警察官であるの夫の身が心配になることもある。
だって陣平さんって、犯人が刃物を持ってようが構わず素手で突っ込んでいきそうだから……!(お義父さん譲りでボクシングめちゃくちゃ上手いってたまに自分で言ってるし)

でも年明けから春前までのこの時期は、比較的犯罪は少ないんだそう。たしかハギさんが言ってた。犯罪者も寒さは苦手なのかもしれない。

陣平さん、交番でのんびりしててくれればいいな……


……あれ。気付けば、テレビ画面の中の男女二人の姿が色っぽいことになってる。濡れ場ってやつだ。地味に身体の奥が疼く。




初めてこの家に上がった日も、このソファで陣平さんとテレビを見てたことを思い出す。


そりゃあ男の人の家に泊めてもらうんだから、何も無い訳が無いとは思ってた。陣平さんとなら、“そういうこと”があってもいいと思って彼を選んだのも私。


このソファの上でキスされて、急に甘くなり出した空気にずっとドキドキしながら、身体を重ねて……小さなオモチャまで使われて……あんな風になったのは陣平さんが初めてで……すごい、気持ちよかった……

ダメだウズウズしてきた。

……あの小さなオモチャはもう長いこと使ってないけど…たしか寝室の棚の引き出しに入ってるはず。


テレビもリビングの電気も消して寝室に入り、引き出しを開ければそこにしまわれている小さなオモチャ、ローターを見つける。

電池を取り付け、スイッチを思い切って入れれば、予想以上の音と共に急激に振動し始めるソレ。ドキッとして思わずすぐにオフにした。


ソレを手にしたまま寝室の電気も暗くして、ベッドに入り、目を閉じる。

頭の中に浮かぶのは、愛しい人の色気たっぷりに微笑む顔、何も纏わない姿……
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