Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第32章 POP HIS CHERRY【降谷零の場合】
ドキドキがずっと収まらないまま……いつもよりかなり丁寧に、身体の隅々まで綺麗にした。
下着はどうしようか迷ったけど、どうせこの後することは決まってるのだ、裸の上にバスローブを羽織って浴室を出た。
部屋に戻ると零くんが立ち上がり、近付いてくる。
「僕も浴びてくるから…少し待ってて」
私の肩に手を置いて、零くんが浴室へ消えていく。
次にこれもまたどこで待てばいいものか迷ったけど、やっぱりこの後することは決まってるのだ、しばらく部屋をウロウロした後、広々としたベッドに乗り上げ、座って待つことにする。
胸の鼓動も酷いままだけど、身体の奥が切なく疼いてきた……
あっという間に戻ってきた零くん…彼も私と同じ白いバスローブを羽織ってる。けど胸元が結構開いてて…鍛えられた胸板がチラリと見えるのが悩ましい。
「まさかベッドで待ってるとはな……そんなに早くしたかった?」
「別にいいでしょ…?」
「いいよ?どこだって構わない」
ベッドに乗り上げてきて、私の真横に座った彼。頬を撫でた指が唇へ伸びてきて……数秒後、近付いてきた唇と唇が重なった。
ギュッと目を閉じる。知らない間に身体にも要らない力が入ってたけど…何度も柔らかく唇を重ねられる度に頭の中はフワフワして力も抜けてくる……
キスってこんなに気持ちよかったっけ……
すっかり忘れてた、久しぶりの感覚。身体の奥が熱くなって、酷く疼いて、堪らなくなってくる……
「やっぱり可愛いよ…は」
両頬を手で挟まれ、ものすごく近くでそう言われたのだけど……その零くんの顔付きは別人みたいに男っぽい……いつもと違う鋭い眼を見てると、胸の奥が痛いくらい……
彼は同期だとか、いろいろ……一旦全部忘れよう。
彼の首元に手を掛けて、ほんの少し距離を詰める。
「零くん……もっと、キスして…」
「………」
ギュッと抱き締められるなり強く重ねられる唇…キツく吸われて、舌が入り込んできて……少し無理がある体勢、ちょっと苦しくはあるものの、キスは止まらない。
何度も舌を絡め合って、溢れそうになってきた唾液はもうどちらのものかも分からない。
そのまま一緒に後ろへ倒れ込んで、私の背中がシーツに沈んでも、お互いの唇を貪るようにキスは続く……