Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第4章 たまにはお外で【沖矢/赤井】
部屋の壁と彼に挟まれ、顔を近付けられる。
沖矢さんの顔をした赤井さんに迫られると、何とも言えない変な気分だけど。
「お前は誰の女だ?」
「赤井さんの、です・・・」
「そうだろ?ならもうあんな行動は慎め」
「はい・・・」
多少不本意だがここは大人しく頷く。
顔を上げると口付けられて、スグに舌が差し込まれる。
手のひらを這わせるように身体中を撫でられて、官能のスイッチが入りかける。
でも薄ら瞼を開けた目の前の、彼の顔だけが沖矢さんで。
イマイチのめり込めない。
「どうした?」
「あの・・・なんか・・・赤井さんなのか沖矢さんなのか・・・分かんなくて」
「はどちらに抱かれたい・・・聞くまでもないか。俺だな」
「そう、だけど・・・」
「出先で変装は解けんからな・・・」とかなんとか言う彼に身体を持ち上げられ、ベッドに運ばれる。
服をスルスル脱がされ、ふと彼の顔を見上げるとニヤリと口角が上がっていて。
「こうすればいい」
たった今脱がされた服が、目元を覆うように被せられ、しっかり固定され視界が遮られた。
目隠し・・・?
「これなら俺に抱かれているとしか思えんだろ」
突如耳元で囁かれてカラダが震えた。
たしかに。今わたしを組み敷いているのは、完全に赤井さんだとしか思えない。
ふっと身体が離れて、ゴソゴソ音がする。
彼がどこにいるのか分からず、手を伸ばして探すけど空を切るだけで。
「赤井、さん・・・?」
「ちゃんとここにいる、ほら」
覆いかぶさってきたと思われる赤井さんの肌に指先が触れて、そのまま背中へ手を回す。
赤井さんは服を脱いでいたみたいで。
素肌の感触が気持ち良くて、ぎゅうっと抱き締める。
「そんなに強く抱き着かれたら弄ってやれん」
「・・・ぅ」
腕の力を少しだけ緩める。
唇がそっと重ねられた。
それだけなのに、少しビクッとしてしまい、赤井さんに笑われる。
見えてないんだから仕方ないじゃないか・・・
再び唇が触れると、舌が差し込まれる。
口の中を柔らかくなぞるソレを追いかけて、絡め取られて、吸われて。
漏れる息が甘く変わり、身体から不要な力が抜けていく。