Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第32章 POP HIS CHERRY【降谷零の場合】
目的地を定める訳でもなく、ただ高速の同じ所をグルグル走りながら、話題はいつの間にか警察学校時代の私と萩原くんの猥談の話に。
「同期の中できっと一番そういう経験積んでるのがだから今回のことにも選ばれたんだろうな」
「えっ!私そんなにすごくない」
「そうか?アメリカでしたセックスがメチャクチャよかったーとか言ってただろ?僕からしたらぶっ飛びすぎてる、会ったばかりの相手となんて…」
「よく覚えてるねそんな話…」
「なんでだろうな、今急に思い出した」
あれはたしか、“今まで一番気持ちよかったセックスを暴露する”っていう…とんでもないお題で喋ってた時だったか。
(警察学校って本当に娯楽が少なくて。喋るのが唯一の娯楽と言っても過言ではなく。こういう話で盛り上がることも、よくあったのだ)
思い出すアメリカでのこと。
単身旅行中だった私。たまたま声を掛けてきた人がものすごく素敵すぎてそのまま一晩一緒に過ごしたんだった。
キスもセックスも本当に情熱的で……あそこもおっきくて、何回も何回も…
……ん?
その彼のアソコを最初に見たときは私もすっごく驚いた。こんなもの、入るわけない、と思った。
もしかして、零くんの彼女もそうだったり……?
“コレはココに挿れるモノだろう?入るに決まっている”
あの時その彼に色気たっぷりな顔と声でそう言われた状況が鮮明に思い出されて、不意にお腹の奥が疼いてしまった。
あれ以来、私は誰とも身体を合わせていない。
身体が疼いて仕方ない日に一人でしちゃうことはあるけど……実は、なんだか今もウズウズしてきた。
「…?どうかしたか?」
「あ、ううん……あの、多分だけど、零くんは大丈夫だと思うよ…きっと」
「本当か?泣いて痛がっても知らないぞ……仕事なんだ、僕はやるからな」
「…だったら泣いちゃうほど気持ちよくしてほしいな」
「おい…」
「どうせするんだったら気持ちいい方がいいじゃん…」
「狂ってるな…全く……」
「そうかもね…」
車を運転する零くんの太腿にそっと手を置いてみた。そのまま身体の中心へ向かって撫で上げていく……
「何、してる…っ!運転中だ!」
「あはは!ごめん!」
手は払い除けられてしまった。けど何をやっても完璧だった零くんが、慌てる姿って……可愛い。