Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第30章 ときめきを貴方と【沖矢昴】
髪から背中、腰の辺りまで…優しく手のひらで撫でられて、身体の内側がじんわりと温かくなってくる。
顔を上げれば直ぐに唇が重なって、舌が入り込んでくる。蕩けるような柔らかい感触が心地良くて、夢中で舌を絡ませ合う。
再び唇が離れる頃には、すっかり体温が上がってしまった…まだお昼なのに……もしかして…するのか。
「さん、上に乗って」
「んっ…はい…」
身体を持ち上げられながら、昴さんの脚を跨ぐ。向かい合って更に近付く身体と身体……こんなことくらい、今まで何度もしてきた筈だけど、なんだろう、今日は無性にドキドキする……
「なんか…恥ずかしい、かも…」
「今更何を……そんな可愛いことを言って…僕にどうされたいんですか」
「そ、そんな…別に、何も…」
「まあ、いいです……恥じらうさんを乱していくのは愉しいですから…なんだか昔を思い出します…」
「そう…?」
「初めての時は、服一枚脱がすだけでも大変だった、とか…」
そう言いながら昴さんは私の洋服の裾を摘む。だけど直ぐに捲り上げる訳でもなく、チラリと覗いた肌を見て微笑んでるだけ。
「今はもうよく知っていますけどね。あの時の僕は…この洋服の下がどうなっているのか…全てを脱いださんの身体はどんなに綺麗なのか…考えるだけで気分が物凄く高揚して…」
「……そうなの?」
昴さんはいつだって落ち着いてて余裕たっぷりに見えるのに。そんな風に思ってたとは露も知らず。嬉しいような、気恥ずかしいような気持ちになる。
「そうですよ」
「ドキドキしてたのは私だけだと思ってました…」
「僕も同じです…愛しい人と初めて肌を合わせるんですからそれはもう…」
「…っ!もういいですから!なんか余計恥ずかしくなってきました…」
「何故です?こういう事、言われたいんでしょう?」
「…ぅぅ…っ!」
顔を近付けて、息が掛かる距離で呟かれる。後ろに引こうとしても、また近くに引き寄せられてしまう。
「ほかの男の所になんて、もう二度といかせませんから…」
「そ、そもそも、いってませんから…!…でも…あ、アプリ、アンインします…!」
「それがいいでしょうね…」
満足そうに口角を上げた昴さん……
今日の昴さん…なんだか迫力がすごい……