Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第29章 寄せは俗手で【羽田秀吉】
一人で寝るには広いベッドの上……何度も何度も深いキスを繰り返して、気付けば寒さなんて全く気にならないほど熱を帯び火照ってきた身体。
秀吉とこんなことしてるなんて…それこそ夢と現実の間にいるみたいな気分で……フワフワ、とろとろして、すごく、気持ちいい……
だけど秀吉が私の服を脱がそうとしてるのに気付いて、反射的に服の裾を握ってそれを阻止してしまった。
「っん…っ、や、だっ…」
「嫌?」
「…だっ、て…秀吉……恥ずかしい……」
「僕達夫婦になるんだよ?の裸も見れないなんて…そんなの有り得ない」
「ぅ……」
それを言ったら…交際期間ゼロで結婚するのも中々だと思うけど……そこは口を噤んでおいた。
「じゃあ……布団……さむい、し……」(寒いっていうのはただの口実で、身体を隠したいだけだ)
「いいけど……寒くなくなったら剥がすよ」
「…ぅ……」
布団を手繰り寄せて秀吉の身体ごと包まると、さっきよりも身体のアチコチが密着してしまった気がする……まあ、いいか。
するすると裾から侵入してくる大きな手。どんどん服の中を這い上がられて、手のひらが下着越しに乳房に重なる。
「ずっとと…こうしたかった……」
不意に溜め息混じりにそんなことを言われ、柔らかく乳房が握られて。その奥がじんわり締め付けられたように疼いた。
私だって…秀吉とこんな風にすること…考えたことは何度もあるけど……いざそうなってみると想像と比べ物にならない程心臓がドキドキしっぱなしで胸が苦しい…
「私も…一緒、だよ?」
「本当?」
目が合い、頷けば、噛み付くように唇を合わせられ。荒々しいキスに、息継ぎも上手く出来ないし、形が変わってしまいそうなくらい乳房を強く揉まれる……
苦しい筈なのに、それがひとつも嫌ではなくて。
むしろ今は、こんな風な秀吉を知れたことが“嬉しい”って感情が一番大きいかもしれない……
「んっ…ぁ、っ…んんっ……」
「っ………」
どんどん熱を上げていく身体。熱が篭り出した布団の中……服を脱がされていくのにはもう逆らわなかった。