Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第29章 寄せは俗手で【羽田秀吉】
時は、秀吉達がまだまだ若かった頃に遡る。
同世代の中でもいち早くプロになっていた秀吉。
当時の彼はプロ界では“超大型若手新人”と称され、大人ばかりが競い合う中に、子供(秀吉)が一人いるような状態だった。
そんな中でも年齢差など物ともせず、秀吉はメキメキと頭角を現し始めていて……
(ちなみに、プロ=将棋で金が稼げる、ということだ)
これは、そんなとある日の秀吉、、晃、桜の4人の会話。
秀吉「見て!これ!ほら!僕の今年の年間獲得賞金!これなら将棋一本でも食べていけるかな!」
桜「いちじゅうひゃくせんまん、じゅうまん……ご!500万!?」
晃「マジかよ!すげーな……」
「500万もすごいけど……ほら、野球のあの人!20歳で年俸億超えって!若いのにすごいよねー!」
桜「あー!あの人ね!しかもイケメンでね!」
「ねっ!彼女とかいるのかな…誰と結婚するんだろ…やっぱアナウンサーなのかな……」
桜「あんな人と結婚できたらきっと幸せよねー!」
晃「おい、金さえあれば幸せになれるのかよ」
「うーん…さすがに一億あれば多少の不満があっても気にならないかも…きっと幸せだよ!」
晃「金持ちなら誰でもいいのか?」
桜「余程の変な男じゃなければね」
「そりゃあ、好きな人がお金持ちで、その人と結婚できたら一番幸せだろうね……」
桜「あー…お金持ちと結婚したい!」
「私もー……」
秀吉「億……竜王は外せないとして…あと3つくらいタイトルが取れたら…1億超えるか……」
この頃、既にに想いを寄せていた秀吉。将棋一本で食べていけるようになったら、彼女に想いを伝えようと思っていたのだが、この時のの発言により大きく軌道を修正することになった。
“一億稼いでにプロポーズする!”
秀吉はその一心で、今日までひたすら将棋に打ち込んできた。
そしてついにその目標を達成できた今日……に想いを伝えるべく意を決した次第。
桜と晃には先にそれを知らせていた為、今夜の食事会は二人きりでの運びとなり、今に至る。