Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第28章 手作りスイーツに下心【安室透】
唇が触れ合った瞬間から何かのスイッチでも入ったみたいにキスが止まらなくなって…気付けばすっかり息も上がっていて……身体も熱い。
床に座り込んだまま、何度も唇を合わせては、何かを確かめるように見つめ合う。
熱を孕んだ瞳に見つめられるだけでもうクラクラしちゃいそうなんだし、なんだか今の安室さんは…まるで別人みたいだ。
「さん、知ってます?」
「…なに、を……?」
「さん、ポアロでもたまに、ものすごい色っぽい顔してることがあるんです…」
「……えっ、」
「大方いやらしいコト考えてたんでしょうけど…」
「だって、それは…」
「分かってます。でも、ずっとこの顔が僕の方を向いてくれないかなって…思ってた…」
両頬に手が添えられて、そのまま再び唇を塞がれて。入り込んできた舌に口内をゆっくりと舐め回される。
耳を、首すじを、指先で撫でられれば背中がゾクゾクとして。立てない所か、フワフワして身体中の力が抜けてしまいそう……
ゆっくりと舌が出ていって離れて、スルスルと降りていった手に服を脱がされていく。
戸惑いのない器用な手付きに一瞬“慣れてるのかな”なんて思ってしまうものの…ドキドキの方が遥かに大きくてそんなことすぐに気にならなくなる。
だけど、ふと自分の二の腕に目がいき、身に覚えのないアザができていることに気付き。
もしや男に掴まれた時に出来たのかと思えば怖いのか気持ち悪いのか、身体が強ばり出した。
「さん…?…ああ…コレ、僕が付けてしまったんですね…」
「…え、ええっ?…あ…っ…!」
何かを察したのか、安室さんが私の二の腕にガブリと噛み付いてきた。鋭い痛みが走り、思わず身構える。
「すみません…あんまり美味しそうだったから食べたくなっちゃいました……でもこうすれば、コレを見る度…僕の事を思い出すでしょう?」
見ればアザのあった部分には、別の形の丸いアザと、歯型がうっすら……
「他は触られてないですか?全部確認しないとな…」
「ほかは、なにも…っ、あ……っ!」
身体が持ち上がり、ベッドへと乗せられ背中から倒されて。次々に服が脱がされていく。
あっという間に下着姿にさせられて、身体中の隅々、至る所まで視線を浴びせられる。持ち上げられた脚の先なんて、絶対何も無いのに…恥ずかしい。