Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第27章 一家勢揃!秘境の温泉宿【赤井秀一】
広々とした和室。中には秀吉さんに真純ちゃんに、そして初めてお会いする、秀一さんのお父さんとお母さん……
真純「秀兄!さん!」
秀吉「久しぶりー!」
メアリー「ようやく来たか」
秀一「こんなに山奥で無ければもっと早く来れたんだがな……父さん母さん、紹介する、だ」
「こんばんは、初めまして……と言います……」
務武「よろしく。父の務武(つとむ)だ。こっちが今はこんな姿だが母のメアリーだ。子供達が色々世話になったそうだな」
「いえ!わたしこそ本当にいつもお世話になってばかりで」
秀一「しかしこれだけ揃うのは久しぶりだな」
真純「何言ってるんだよ、初めてだよ!」
話に聞いてはいたけど、秀一さんのお母さんは、コナンくん達と同じ薬を飲まされ身体が縮んでいて、綺麗なお顔立ちだけど中学生くらいの背格好。そして、お父さんは、髭が似合うすっごくダンディなおじさまだ。
……みんなの視線が自分に集まってるのを感じて……めちゃくちゃ緊張して固まっていると……真純ちゃんが近くに寄ってきた。
真純「なあさん……やっぱり沖矢昴が秀兄だったんじゃないか……なんで言ってくれなかったんだよ……」
「ああ……あの時は……うん、ごめんね」
秀一「真純、少し考えれば分かるだろう……を責めるな」
真純「まあなー……また会えたからいいけどさー」
秀吉「そうだよ、せっかく久しぶりに集まったんだよ?仲良くしよう!さ、兄さん達も座って!もうすぐ夕食の時間だからさ!」
荷物を部屋の隅に置いて、大きな木製の座卓を囲むように皆で座椅子に座る。どうするのが正しいのかも分からないわたしは、とりあえず座椅子の上に正座した。
メアリーさんは元々そんなに口数の多くない人なんだろうか。無言の威圧というか、物々しいオーラを感じる……
務武さんも陽気なタイプでは無さそうだし……
まあ、秀一さんだってそうだ。
気さくな秀吉さんと明るい真純ちゃんが一緒で良かった、と心底思った。
もしもご両親だけだったら……終始ピリッと引き締まった空気の中で過ごさなければいけなかっただろうから。
今夜はこの部屋で夕食、そしてみんなでこのお部屋に寝るみたい。
失礼のないように過ごせるだろうか……手に汗が滲んできた。