• テキストサイズ

Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】

第27章 一家勢揃!秘境の温泉宿【赤井秀一】




「……結婚しよう」


しばらく忘れられそうにない(忘れたくない!)……家に帰ってきた秀一さんに、玄関先でバラの花束と指輪と共にされたプロポーズの瞬間。

一日に何度も思い返しては、ひとりニヤけてる。わたし達ほんとに結婚するのだ。




……あれから少し経ち。

わたしはアメリカへの引っ越しと、結婚に向けての準備を着々と進めていた。

二人ともいい歳の大人だ。結婚に親の許可が必要な訳ではない、でもいい大人だからこそ、入籍の前にちゃんとそれぞれの家族に挨拶をしなければ、と考えているのだが。

ウチの実家への挨拶は、秀一さんの時間さえ取れればいつでも行けるだろう。問題は赤井家だ。

現在秀一さんの両親はイギリス、弟妹は日本、秀一さん本人はアメリカと日本を行き来している状態。そう簡単には会えない。

改めて自分はとんでもない人(家)に嫁ぐことになったもんだ、と思う。


「いつにしましょうか……秀一さんのご家族への挨拶……」

「秀吉はしばらく日本から動けんだろうからな……アイツの都合のいい日に全員日本に集めるか」

「じゃあ……連絡お願いしてもいいですか?」

「ああ。しかし……最後にウチの一家が全員揃ったのは……真純が産まれる前か……?おそらく初めてだな。いい機会だ」




赤井家には所謂“実家”のような場所は無いそうで。どこかの宿を予約して、現地で落ち合う予定となった。
(ちなみに、段取りのほとんどを秀吉さんと真純ちゃんに任せることとなった)




日取りを調整してなんとか決まったその当日。

わたしは二人分の着替えやらを詰めた荷物を持ち、昼過ぎに一人で家を出て空港へ。アメリカから数日ぶりに帰ってきた秀一さんと合流し、指定のあった宿へ彼の車で向かっていた。




「温泉らしいですね!楽しみー」

「それはいいが、何故こんなに山奥なんだ……東京じゃダメだったのか?」

「あのほら、秀吉さんって日本じゃ有名人でしょ?それに今度のタイトル戦がそこの近くであるらしくて。それの都合もあってらしいですよ」




数時間車を飛ばして、宿に着いた時にはもう夕方、というか夜。
ほんとに山奥に一軒だけ佇んでいる旅館で、周りには樹木と川しかない。

立派な造りの建物に入り、案内された部屋には既に家族の皆さんが揃っていた。
/ 632ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp