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Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】

第24章 It's SHOW TIME!【真田一三ルート】


やたらテンションの高いメイクさんに髪のセットとお化粧を施され……気付けば鏡の中に居るのは、いつもと違う自分。中々綺麗?かもしれない。
半分は衣装、もう半分はヘアメイクのおかげだけど、それでも普段より段違いに大人っぽくなれた気がする。
真田さんにも(メイクさんにも)褒められて、つい顔がニヤけちゃう。

だけど続いて真田さんのメイクに取り掛かった彼(彼女?)を見てると、無性に落ち着かなくなってきた。

真田さんの髪に、肌に、自然と触れることができる彼が羨ましいような反面、憎いような気さえしてきたのだ。

私だってまだ触ったことないのに……ズルい。


「ちゃん?どうかしたか……?」

「べ、別に!なんでもありません!」


どうやら気持ちが顔に出てたようなので、表情を引き締めた。


それにしても……やっぱりステージ衣装に身を包んだ真田さんは格別に素敵だ。ずっと長い間、私はこの彼が好きだったハズなんだけど。

最近は普段の何でもない時だったり、褒めてくれたり、あと……頭を撫でてくれる時の優しい笑顔の彼の方が好きかもしれない。




出番の時間が迫ってくると、緊張からか呼吸が浅く速くなってきて。
察してくれた真田さんが、私の両肩に手を置いて「ゆっくり深呼吸して」って言ってくれたんだけど……
いつもは服で覆われてる所に初めて直に触れられたからか、逆にドキドキするばかりだ。


「ちゃんは、いつも通りやれば大丈夫だから」

「はい……」


肩に置かれた手が腕へ滑っていって、両手をまとめて握られる。

そのまま目が合って、真田さんの顔が降りてきて……キスされるのかと思ったら、彼と触れ合ったのは唇じゃなくて、頬だった。


「ほっぺた……?」

「だって……せっかくお化粧したのに、落ちちゃうだろ?」

「あ……」

「ほんとは今すぐカブりつきたいくらいだけどね……」


鏡を見てハッとした。今の私の唇、真っ赤でツヤツヤなのだ。普段口紅なんて塗らないから考えが及ばなかった。

そこで部屋の扉をノックする音が聞こえ、咄嗟に私達はお互いから離れ、距離を取る。

そろそろ出番だそうで、係の人が呼びに来たのだ。
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