Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第24章 It's SHOW TIME!【真田一三ルート】
「真田さん……私も聞いていいですか?」
「いいよ、何?」
「……彼女って、いますか」
「そういう事ね……彼女はいないよ」
「じゃあ、好きな女の子は……?」
「うーん、まあ……うん……いるかな」
「……どんな人か聞いてもいいですか?」
本当は知りたくないけど、知ることで、この膨らんだ気持ちも落ち着くかもしれない。
内心ドキドキしてるのを悟られないよう、ちょうど良く焼けたお肉をタレに付けつつ、彼の答えを待つ。
「……絶対内緒にできるか?」
「……はい」
「ちゃんが好き……って言ったらどうする?」
「は、は……え?」
タレを付けたお肉を口に運ぼうとしていた手が止まる。お肉はもう一度皿の上へ……
彼は冗談を言おうとしてるのか。私はからかわれてるのか。
でも真田さんはいたって真剣そうで……まるで難しい演目をしてるときみたいな顔。
私は持ったままだった箸を置いて、何故か正座する。
「あのさ、今日聞こえちゃったんだけど……姉さんとちゃんが喋ってるの」
「は、はい、何の話でしょう……?」
「僕と恋人になれるもんならなりたいって話……」
「うっそ……」
「嘘なのか?」
「い、いえ!嘘ではないですけど……」
あれを聞かれてたとは。もしかして他にも色々聞かれた……!?
背中を変な汗が伝う。
「いくらちゃんが僕のファンで、僕のことが好きだって言ってくれてても、僕は恋愛の対象にはならないと思ってたから」
「あ、の、そんなことないです!真田さんは、すっっっごく素敵な男の人、です……」
どうしよう、どこを見ればいいやら視点が定まらず、目がアチコチ泳ぐ。
「僕もちゃんのこと好きだよ。ちゃんと、女の子として。だから同じ気持ちなんだって知れて嬉しかった」
「……同じ?」
「ちなみに言うと……自分なんて相手にされる訳がないとか、側に居れるだけでいいとか……それも一緒。同じこと思ってた」
「え……っ、ええっ!?」
「だってちゃんは若くて可愛いんだし、僕なんかよりもっと似合う相手がいるだろ……」
「真田さんだってそうですよ……姉さんみたいな大人な美人ならまだしも、こんな小娘」
「その小娘がいいの。だからさ……」
「はい……?」
「僕と付き合わないか」