Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第24章 It's SHOW TIME!【真田一三ルート】
「ちゃんのデビューも決まったことだし……今日は、今まで頑張ったご褒美に。どっか食べに行こうか」
「えっ……!いいんですか!行きたいです!」
「何が食べたい?何が好き?」
「……何でも……真田さんと食べれるんなら何でも行きます!」
「何でもって……僕って相当慕われてるみたいだな」
「当然です!」
真田さんと二人でごはんに行くのは初めてだ。これは素直に嬉しい。
連れて来られたのは完全個室の高級焼肉店。「もっと普通の所でいいです!」って遠慮したけど、そこで改めて気付かされた。真田さんは有名人だから「週刊誌の事を考えるとこういう店じゃないとダメ」なんだそう。
「特に今日は女の子と二人だからな」
「たしかに……“真田一三、未成年少女と夜の焼肉デート”とか書かれたら笑えないです」
「だろ?実際ちゃんは僕の立派なアシスタントな訳だし、二人で食事したって何も変じゃないんだけどな。ああいうのってあることないこと面白可笑しく書くから」
ほんと。私のせいで真田さんの肩書に傷が付いてしまっては洒落にならない。
私は真田さんの相手には相応しくないのだ。
せめて自分がもう少し大人だったら違ったかもしれないけど。
運ばれてきたお肉を網の上で焼き……一枚食べてみる。
……美味しい。衝撃的に柔らかくて美味しくって今まで食べてたお肉は何だったのかと疑いたくなるほどの美味しさ!
「こんな美味しいお肉初めてです!すっごい美味しい!」
「よかった。どんどん食べてよ」
「……いいんですか?」
「ああ。遠慮しないで」
「いただきまーす!」
こんなに美味しいお肉を彼と食べれるなんて。そうだ、これだけで充分幸せだ。
少し前の私には考えられなかったこと。
「最近の高校生ってみんな彼氏とかいたりするのか?」
「……みんなってことはないかな……いたりいなかったりですよ?」
「ちゃんもいたことあるのか?彼氏」
「結構前ですけど……いましたね」
「へーえ、そう……」
食事もだけど、こういう類の話を真田さんとするのって、初めてだ。
でもそう来たなら……私も彼に聞いてみたいことは沢山ある。