Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第24章 It's SHOW TIME!【真田一三ルート】
真田さんがスタジオを出ていき、ふぅ、と息を吐く。
そして何故かニヤニヤ顔の姉さんにジーッと見つめられる。
「なんか付いてます?」
「あのカズミが照れてたわね」
「照れ!?まさかぁ……ないない」
「アレは絶対そうよー……ね、ちゃんってカズミのこと好きよね?」
「好きですよ!大ファンですもん」
「そうじゃなくて。例えば……カズミの恋人になりたいと思う?」
「……なれるもんならなりたいですよ!なんか最近どんどん好きになってく気がして……でも真田さんって、素敵過ぎてそういう対象を遥かに超越してる感じなんです……」
「アハハ!何それ!神様みたいな?」
「……そもそもですよ!私なんか相手にしてもらえる訳ないじゃないですか」
「そんなことないわよー」
「いいんです。側に居れるだけで満足なんです……」
「ふーん?」
“側に居れるだけで満足”なんて姉さんには言ったけど、これは自分で自分に言い聞かせてるだけだ。
最近、“好き”の気持ちが膨れ上がってる気がしてたまらない。
本当は、もっと近付いてみたい。でも、届かないのは分かってるから……
その後しばらく真田さんへの並々ならぬ“愛”を姉さんに語っていたんだけど……着替えた彼が戻ってきた途端、私の思考は一時停止する。
久しぶりに見たタキシード姿の真田さんが……キラキラし過ぎてて……危うく目眩まで起こしそうになる。
「真田さん……めちゃくちゃ素敵です……!」
「素敵って……僕が?それとも衣装のこと?」
「衣装を着た真田さんが!ってことです!ああもう好き過ぎてヤバいです……」
「衣装の組み合わせはバッチリね!二人お似合いよー!ちょっと並んで!」
「言われなくても今から並ぶから……ほら、姉さんはそこで見てて。ちゃん、やるよ」
「はい!」
そうして当日披露する予定の演目やらを本番さながらに一通り行い。姉さんから“カンペキ!”のお墨付きをもらい。今日の練習はお開きとなった。
帰りに真田さんの車の助手席に乗るのにも、いつの間にやらすっかり慣れた。もはやココは自分の指定席のような気さえする。
だけど今日の帰り道は今までと違った。