Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第24章 It's SHOW TIME!【真田一三ルート】
さっきのアシスタントさんみたく脚を組んでみようかと、おそるおそる片脚を動かしてみる。
……あ、コレ無理だ。
「わっ……!」
「おっ……と危ない……」
私の身体はバランスを崩して板から落ちる……と思ったのに、落ちなかった……真田さんが横から抱えてくれたからだ。
「っ……!?あの!すみません!」
「大丈夫。初めてにしては、まあまあかな。元の姿勢に戻れる?」
「は!はい!」
ちょっとどころじゃない……接触部分が多すぎる……!パニック寸前の中、真田さんの肩をお借りして、元の姿勢に戻る。
すると台を戻されて、降りるよう言われ、また真田さんに手を取られながら床に降りる。
「座る時、ちょっと鉄板を見すぎだったかな。もっと自然にできるといいね」
「は、はい……」
「体幹トレーニングも必要だな」
「はい……」
「でも初めてなら上出来よー!って言うかカズミ、いつまで手、繋いでんの」
「ああ。ごめん、つい」
アシスタントさんに指摘されてようやく真田さんの手が離れて。だけど緊張状態からは全く解放されないまま……
その後も色々なことを教えてもらって……
あの綺麗な舞台を作り上げる裏には、沢山の努力があることを知った。
真田さんはよく“天才”なんて呼ばれたりしてるけど、「僕は天才なんかじゃない」んだと彼は言った。「最初から出来た訳じゃない」、「日々の反復練習の成果だ」そう。
とにかく、真田さんもだけど、みなさん、熱意がすごくて。
私が今までこんなに何かに真剣になったことって……多分無い。だからこそ、余計にみなさんの存在が今まで以上に眩しいものに見えて仕方なかった……