Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第24章 It's SHOW TIME!【真田一三ルート】
「まずは見ててね」と言われ、壁際の長椅子に座らされて、三人の練習の様子を見させてもらうことに……なったと思ったんだけど。なんと隣に真田さんも腰を下ろしてきた。
さっき車に乗ってた時よりも近くなった距離に、身体の半分が震えそうになる……
「ちゃん運動はできる方?」
「……普通、ですかね?」
「でも若いし、体力はあるよな」
「そうだといいんですけど……」
「今から彼女がすること、よく見てて……」
「はい……」
簡単な人体浮遊マジックを、タネが分かるように見せてもらう。小さな階段を昇り、高さのある台の上に脚を揃えて座ったアシスタントさん。その身体が、台を外しても浮いたままその場に留まっている……
もちろん本当に浮いてない事は私も理解済み。これって見えないようにした鉄板とかの上に体重を乗せてるだけなのだ。
でも、これはよくある寝てる人間を浮かせるのとは訳が違う。体重を乗せる板の面積が小さければ小さい程、浮いてるのが信じ難いから見栄えもいい、けど、そうなれば全身の筋肉がプルプルするのは必至……
今アシスタントさんが座っているのは、多分スマホ程の大きさの板の上だ……しかも、長い脚を組んだと思ったら、ゆっくりと組み替えて……その動きはとっても妖艶。
「どうなってるかは、分かるか?」
「はい……でも、あんなちっちゃいのの上で出来るなんて……」
「そう。結構キツいと思うけど……全然顔には出てないだろ?」
「はい……すごい、自然……」
「よし、じゃあちゃんもやってみようか」
「っ!はい……!」
真田さんの後ろを歩き、台の横に来て。
そしたら不意に真田さんに手を取られて、台に乗るよう促される。それこそ、エスコートされるみたく。
予想外のことに過剰に反応してしまって、心臓が物凄い速さで動き出した……真田さんは私が台に乗りやすいように手を貸してくれただけなのに。
手を取られたまま、段を昇って、台と同化している鉄板の上に片方のお尻だけに体重を掛けるようにして座り。
台がゆっくりと抜かれる。
私、浮いてるように見えてるだろうか……?
それもだけど、未だに触れ合ったままの手が気になって仕方ないよ……
「そのまま脚とか動かせそうか?」
「や、やってみます……」