Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第23章 It's SHOW TIME!【黒羽快斗ルート】
家に上がり、もう慣れた足取りで私は練習部屋へ向かう。
「あー……今日くらいは特訓サボりてーなぁ……」
ところが後ろを歩いていた快斗が、快斗らしからぬ発言をした。授業はサボってもマジックにだけは手を抜かない快斗が。
「何言ってんの!手が動きを忘れないように毎日やらないと、って言ってたの快斗じゃん」
「そー、そのとーりだ……さすが、俺のアシスタント……」
「どしたの……元気ないね」
「それ聞いちゃう?」
「……うん?」
「俺……早くに触りたくてウズウズしてんの、特訓なんて二の次に思えるくらい……」
「快斗……」
それは、早くエッチしたい、とかそういう類のこと……?
私だって今日はそういうこともあるだろうって思ってたけど……だからシャワーもしてきたし、なんなら可愛い下着だって着けてきた。
でも今日は泊まるって決まってんだし、まだ昼!まだまだ時間あるでしょーに……
「あ、もしかして風呂入ってきた?いーニオイ……あー、だから来んの遅かったのか……」
ブツブツ言いながらこっちに近付いてきた快斗と廊下の壁に挟まれて、両脇も腕で塞がれてしまい……気付いた時には逃げ場が無くて……俯く。
身体のあちこちが今にも触れそうな距離に、心臓が物凄い速さで動き出した……
「今日の特訓は……後にすっか……まだまだ時間はあるし……」
「……ぇ……っ!」
順番逆じゃない……!?
顎を掬われてほとんど強引に上を向かされ。言葉を発する間もなく唇が塞がれた。
快斗の唇が、いつもより熱い……
軽く触れるようなキスは沢山したけど……今してるのはそうじゃなくて……
ゆっくり重ねて、唇の柔らかさを確かめるみたいに唇を唇で挟んで、吸って、舐めて。何度もそれを繰り返される内に頭がぽーっとしてきた。
「……俺の部屋行こ……」
「……ん……っ」
どうしよう、もう、まともに返事も出来なくなってる……心の準備が間に合わない。