Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第23章 It's SHOW TIME!【黒羽快斗ルート】
ニヤーっと笑う快斗に見つめられる。
私が今どんな顔をしてるというのだ。ほっぺたに“I LOVE YOU”とでも書いてあるのか。そんな筈はない。
……だけど考えると顔に熱が集まってきて、熱くなってきた。
無心で残りのパスタをもぐもぐ食べ進め、食べ終えて。
朝も座ってたソファに二人並んで座ると、その距離の近さにまた身体が若干緊張し出す……
どうしたらいいか分からず、自分の膝を見つめる。
「なあ、」
「……っん……?」
快斗は身体をこっちに向けて座っていて。首を捻ってそっちを見れば、更に快斗が近付いてくる。
「快斗……近い……」
「俺が近くにいるのは嫌か?」
「嫌じゃない、けど……」
嫌じゃないんだけど、ちょっと色々……意識してしまって。快斗の顔が見れない。
「あーもう…………かわいすぎる」
「っ!ちょ……っと、何!?」
突然快斗の両腕が身体に回ってきて、抱き締められた。
何が、起こってるのだ。
「が好きすぎて身体が勝手に動く……」
「……あ、あの……快斗?」
「……俺じゃダメなのか?」
状況が飲み込めない。けど、快斗じゃダメな理由って……実の所、ひとつもないのだ。
ただ、すごく気がかりな事はあるけど……
「快斗にダメなとこなんてないんだって……私、快斗とずっと一緒にいたいと思ってるよ……だから、付き合って、いつか別れて、一緒にいられなくなるのは嫌でさ……ずっと仲良しがいいから、迷う……」
「んなの……別れなきゃいい話だろ」
「……うーん」
たしかにそうだけど、そうだけど……
「すっげー大事にするし。ずっと一緒にいるって約束する」
耳元に聞いたことないくらい切なそうな声が届き、ギュッと抱き締められて。心臓がバクバク騒ぎ出す……
本当にそうなら、いい……
「……ほんとに?」
「嘘だったら針千本飲む」
「……針?ハハッ、なにそれ、死んじゃう」
「笑うなよ……それくらい本気ってことだろー……」
「うん……うん。分かった」
「いーのか!?」
「……うん。いい」
急に腕を解かれて。すぐ目の前には、すっごい嬉しそうに笑う快斗の顔……こんなに喜んでくれるんだったら……気持ちに応えて良かったんだろう、きっと。