Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第23章 It's SHOW TIME!【黒羽快斗ルート】
結局ちゃんとした答えを出せないまま眠って、翌朝目が覚めた。
時計を見るといつもの時間。今日は日曜日だしもっとゆっくり起きても大丈夫なのに、何故か二度寝ができなくて。
いつも学校へ行くのと、さほど変わらない時間に家を出た。
歩き出してから、日々学校には遅刻がちな快斗が起きてるか心配になってきたけど……まあ起こせばいいだろう。
だけど、いざ快斗の家の玄関に着くと、なんだか凄く緊張してきた。
ここには何度も来たことはあるけど、あんなことがあった昨日の今日だ、どんな顔して会えばいいのか……分からなくなってきた。
とりあえず普通を装いながら、呼び鈴を押して鳴らす……数秒待ったけど、応答無し。
少しして、もう一度ボタンを押してみると……
ガチャり、と玄関の扉が開き、「……早くねー?とりあえず上がれよ……」と寝ぼけ顔の快斗が出てきた。
「ごめん、まだ寝てた?」
「いや、ちょーど起きたとこだった、顔洗ってくっから、ソコで待ってろ……」
リビングに通され、なんとなくソファに座ってテレビを見ながら待つ。
快斗の家は一軒家。そして彼はこの家に一人暮らし。お母さんはこの所ずっと海外暮らしだそう。
一人って羨ましい。いや、でも全部自分でしなきゃいけないんだと思うとそれはそれで……
ってあれこれ色々考えてる内に、快斗がリビングに入ってきた。
「つーか、何。こんな早くに来て。そんなに早く俺に会いたかった?」
「……ッ!?起きたら来いって言ったの快斗でしょ?」
「あれ?そーだっけか?」
「そうだよ……」
「どっちでもいーけど。と居れる時間は長い方がいいな」
……なんだか快斗がいつもと違う気がする。それとも私が意識し過ぎてて、違うように捉えてしまってるだけ……?
いや、絶対こんなのいつもの快斗じゃない。
私の隣にドカッと腰を下ろした彼、やけに距離が近い気がしてたら、更に距離を詰められて……思わず後退った。
顔を洗ったからなのか歯を磨いたからなのか……彼が発する爽やかな香りが鼻腔をくすぐってくる。
その快斗は妖しげに首を傾げてこっちを見てくる……こんな彼を、私は知らない。
それに加えて私、ものすごくドキドキしてる……