Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第22章 It's SHOW TIME!【快斗/真田共通ルート】
待ちに待ったショーの当日。
ちなみに今回のショーは、ただのショーじゃない。序盤はホテルのディナーを食べつつ、真田さんのトークと簡単なマジックを楽しんで、食後に本格的なマジックが見れるっていう流れ。
(買ったらペアで数万円以上するチケットだ。有り難い!)
念入りにメイクをして、髪もセットして。悩みに悩んで買った大人っぽい綺麗なワンピースにピンヒールを履いて、家を出て歩く。
時刻はぴったり夕方の5時。待ち合わせの駅に着いて、改札の近くに立つ快斗を見つけた。
細めのスーツが……意外と似合ってる。普段学ランばっかり見てるから変な感じだけど、カッコイイ、と思わなくもない。たしかに快斗ってスタイルもいいし、顔も整ってるんだよな……
そっちへ向かって歩いていけば彼も気付いたみたいで、片手を上げてきた。
「ごめん!待った?」
「いや。つーか……あれだな、馬子にも衣装だな」
「ひどーい……何それ、結構頑張ったのに」
「綺麗だってことだろー?怒んなよ……」
「はいはい……快斗もね。スーツいいじゃん」
「やっぱそーか?まあいつかステージに立つときは俺もタキシード着るつもりだしな。似合わねーと困る!」
「そっかそうだよねー……その時は絶対招待してよ?」
「当然。は俺のファン1号だからな」
「別にファンって訳じゃ……」
「そーいうことにしとけって。俺はかなりの有望株らしーぜ?」
「はいはい……」
電車に乗って移動し、最寄りの駅で降り、ホテルの会場に入れば……周りは綺麗な格好の大人ばかりで圧倒される。やっぱり自分達なんて、いくら着飾った所でまだまだ子どもだ。
案内に従って席を探せば、私達のテーブルはなんとステージの真ん前だった。ほんとに特等席じゃないか。
「こんな近くで見れるなんて……快斗……ありがと、最高……」
「まだ始まってもねーのに、終わったみてーな顔してんな」
快斗が可笑しそうに笑ってくるから「ウルサイ!」って思わず怒鳴ってしまった。周りの人にも聞こえちゃったかも、恥ずかしい。
しばらくは快斗と何でもない学校の話なんかをしてたんだけど。
フッと会場の照明が暗くなって、ステージ上だけが明るくなり。
真田さんのショーでよく聞くBGMが流れ出すと会場は静まり、私も無性にドキドキしてきた……