Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第20章 飛び越えた先に【松田陣平】
しかし今日のはよく飲む。それにやたらハギを煽って酒を飲ませたがってるよーに見える。
俺も含め三人とも酒は強いが……この二人……酔っ払ってきたな、こりゃ。
「しっかし飲み物ブッかけられるとか!マンガかよ!」
「陣平どーせまた女の子に嫌味っぽいこと言ったんでしょー」
「あー……まあ、ソイツの名前、覚えてなかったから、聞いた」
「うわ、陣平ちゃんサイテー!」
「サイテー!」
「オメェらなあ、揃いも揃って人をサイテー呼ばわりすんな」
「キャー!陣平こわーい!」
「こりゃ女の子にも逃げられるわー」
「俺はハギみてーに女にデレデレしねぇからな」
キョーミの無いことは全く覚える気になんねーんだから、仕方ねぇだろ。ニヤついてる二人を睨み付け、タバコに火を着けた。
「怒んなよ?陣平ちゃーん……俺達知ってるよ?本当は、陣平ちゃんはすっごくいいヤツだって」
「外側は冷たいけど中身はアッツアツだよねー」
「あっそ……」
こんな会話もよくあることだ。何故かいつも、ハギとが同意見で、俺が孤立するパターンが物凄く多い。
今まで気に止めたことすらなかったが、今日は無性に気になる。なんではいつもハギの肩を持つ?
「ッ!わっ!あ!ティッシュ!」
「おい!あーあー……」
「ごめんハギ……」
「いいって、それより自分の心配しろ」
「……バッカじゃねーの」
突然、が飲んでた酒を飲み切れずに盛大に溢した。口元から服やら色々が酒でビタビタだ。
それを甲斐甲斐しく世話するハギ。これもよくある事と言えばそうだが……
「も風呂入ってきたら?気持ちわりーだろ」
「んー……そうしよかな……」
ちなみに俺のだけでなくの着替えやらもハギの家には常備されてて。当然のように思ってたが……ダメだ。今日はやたら勘繰ってしまう。
が風呂に消え、ハギとしばらく二人になったが……特に変わったことも無く……淡々と下らねぇ話が続くだけ。
また三人になり夜は更けていくが、結局俺の知らない二人の関係を明かされることは無く……