Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第20章 飛び越えた先に【松田陣平】
つい先程歩いてきた道を戻り、再びハギの家の前。
玄関のドアを開けた瞬間、まず俺は自分の耳を疑い、そして全身の動きが止まった。
(ちなみに呼び鈴を鳴らさず勝手に入るのはいつものこと)
「あぁっ!あ、あぁ、あっ……だめ、また……あぁっ!」
おいおい……どー考えても女の喘ぎ声が聞こえる。
……俺の気も知らねーで、随分お楽しみのようだ。
は帰ったのか。つーかハギのヤツ……女連れ込むんなら鍵掛けとけよな……
ちょっとどんなもんか、覗いてやろう。別に覗きのシュミはないが……鍵掛けてねぇハギが悪いんだ。
全ての音を殺して玄関の扉を閉め、リビングに入れば、そこはほぼ俺が飲んでた時のまんま。空き缶が増えたくらいか。
その奥の寝室へ近付けば、よりハッキリと女の甘ったるい声が聞こえてきて、思わず腰が疼く。
「ハギ……そんなおっきいの、無理だって……」
奴らは挿入間近なのか。しかしハギのが大きいって?俺も負けてねーと思うが。妙な対抗心からか、無意識に下半身に手を伸ばせば若干ソコは反応し始めてるから参る……
「コレ?だーいじょぶだって。ちゃんとのココ、受け入れる準備は出来てる」
ん?ハギは今“”と言ったか。と同じ名前の女を抱くなんてよっぽどアイツも溜まってんのか。それともよっぽど美人なのか。
(俺は“”って名前の女を抱いたことはない)
寝室へ通じる引き戸には僅かな隙間があり。そこから中の様子をそーっと伺ってみる。
薄暗い部屋の中、ベッドの上で裸の女を組み敷いている裸の男。二人の身体はぴったり重なってるように見える、キスでもしてんのか。
「ハギの、熱い……」
「そりゃ熱いよ、に早く入りたくてウズウズしてるから」
残念ながら女の顔はハギの頭に隠れて見えねーが、中々スタイルは良さそう。
待て待て……こんな状況にも関わらず、俺が興奮してきた。
下半身が疼いて堪らない。手を伸ばせば、ソコはもう充分な大きさだ。
……落ち着け。ココはハギの家だ。