Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第19章 飛び越えてしまった【萩原研二】
何故かしばらく目が合い……おへその下辺りを押すように撫でられて……こんな所にハギがいるのだと知らされれば、身体の奥がキュウ……っと反応して。彼を締め付けたのが自分でも分かった。
次の瞬間、再び腰を両手で掴まれ、ハギの方へ思いっきり引き寄せられる。
抽挿のスピードが格段に上がる。これ以上はきっと無いって所を続けて突かれて……滲んできた涙で目の前がボヤける。
「あぁっ!あ、あぁ、あぁ……だ、め……これ、だめ、あ、あぁ」
「俺も、ヤバい……ああ……ッ」
「やっ……あぁ、も……へん、なの……っあ、あぁっ、ああぁ」
不意に伸ばした腕が、何もない空間を切って落ちて沈む。震えている指先にハギの手が触れて、強く掴まれる。
指が絡んで、手を繋ぐみたいに握られて……留まりきれなくなった涙が横へポロポロ流れていく。
「……ッ」
「あぁっ!やっ、も、だめ……はぎ、あっ、あぁ、あっ」
「あー……イきそう……いい?」
返事なんてまともに出来そうにもない。もう、好きにしてくれればいい。ハギの手をキツく握り締める。
「ああっ、あぁっ!ん、っ……あぁ、やっ、あ、あぁ」
「……あーもう……ムリ、出す」
「っあ!ぁああっ!!!」
全てが弾け飛ぶ。
真っ白な世界。
お腹や、胸の辺りの上に何か熱い……きっとハギのだろうけど……何か……
気を失いそうな最中、突然意識していない全く別の所から、ガチャガチャッ!バタバタ!……と慌ただしい音が聞こえた、その時。
「ハギー!服濡れたから風呂借りっぞー!」
……え?……ん?
明らかに知ってる、ハギではない男の声が聞こえる。
「っん……?おお、使えよー……」
ハギがそう応えた。
……陣平が帰って来たのだ。何故!?
一気に頭が冴えてくる。
ドタドタ……バタンっ!と、おそらく風呂場へ入っていく音がして、その内シャワーの音も聞こえてきた。
ハギと二人、さっきまでの温かい満ち足りた雰囲気も皆無、酒すら抜けたような素面の顔で見つめ合う。
「陣平、ちゃん……?」
「なんで……帰ってきた……」
背中に……また違う汗が流れる。
私とハギは微睡む暇もなく急いで身なりとベッドを整えることになる。
重たい身体を無理矢理動かし、なんとか、平常を取り戻す。