Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第19章 飛び越えてしまった【萩原研二】
何度か質問され、それに答え……しばらく考えてくれたハギは結論を出したように、一人頷いた。
「俺はね、自慢じゃないけど、今までのどの子もメチャクチャ気持ちよーくしてあげれたと思ってる」
「へえ……」
「でもガキの頃はまた別。自分ばっかで女の子のこと考えてなかったっつーか……だから、の今までの相手もそうなのかもしんねーな、って。多分は異常じゃない」
「なるほど……」
「女の子をメチャクチャきもちよーくしてあげたら、男も数倍気持ち良くなるの、でもコレってきっと経験積まなきゃ分かんねぇのよ。揃いも揃って相手が悪かったんじゃね?」
「ふーん……そっか……ありがと、変な話聞いてくれて」
少し気が楽になった。やっぱりハギに相談してみて正解だったと思う。
二人共に新しい缶ビールを開けて、冷たい液体を喉に流し込む。そろそろ結構酔いが回ってきた。
「てか今までどんなセックスしてきたのよ、は」
「どんなって……?服脱がされて、胸触られて、下触られて、ほとんど濡れてないのに挿れられて、ちょっと腰振られて、終わり……?大体みんなそんなもんじゃないの?」
「えらい淡白っつーか……冷めてんねー。じゃあ一人でする時は?どーしてんの?」
「そ、れは……」
「イったことある?」
「……たぶんない」
ハギが顔を傾けてズイっと近付いてくる。なんか急に恥ずかしくなってきた。ハギ相手に照れる必要なんてどこにも無いのに。
「あれ?なんか俺……今ならを抱けそう。今のお前、めちゃくちゃ可愛い」
「はっ!?」
「……どう?シてみる?俺と」
「じょーだん、でしょ……?」
「ちょっとキョーミあんのよ、百戦錬磨の俺としては、男に感じないカラダを攻略してみたい」
「え……えええ?」
そのままハギの顔が近付いてきて、唇が触れる……嘘だ……キスしてる。身体が固まって動けない。
「ま、って……私と、ハギだよ……?」
「俺じゃダメ……?」
「そ、ういう、問題じゃ、なくて……」
「やばい。可愛い。おいで。こっち」
嘘だ。誰か嘘だと言って欲しい。どうしたのハギ。まさか誰かと間違えてる?
だけど、見たことのない熱い視線に、身体が芯から溶かされてしまいそうで……
何故か拒絶できない。