Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第18章 朧月を見上げて【白馬探】
しかしワトソンが他人にここまで気を許しているのを初めて見た。なんだろう……僕の気持ちを彼が察しているからなのか?
彼らを部屋に残し、キッチンからワインを取ってきた。
部屋に戻ってさんの隣に腰を下ろし。二つのワイングラスに均等にワインを注ぐ。
「まだ飲めるだろ?」
「あ、うん!ありがとう!」
だけど彼女の視線は殆どワトソンの方へ向きっぱなしだ。彼も彼で、なんだか僕といる時とは様子が違って……ご満悦そうだ。
……人間でもない相棒に、嫉妬に近い感情を初めて覚える。
「ワトソン、もういいだろ?そろそろ戻っててくれないか。と二人で飲みたいから」
おいおい……嘘だろ。ワトソンに睨まれている気がする。僕と君は確かに相棒だが、その前に僕は君の飼い主だ。
彼は名残惜しそうにの腕に身体を擦り付けて、部屋の角の定位置に戻っていった。