Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第18章 朧月を見上げて【白馬探】
白馬くんが扉を開け、リビングのような部屋に通されると、そこにはワトソンの姿があった。
「ワトソン!」
「ただいま。ワトソン」
バサバサッと翼をはためかせ、ワトソンは白馬くんの側にやってくる。頭を撫でられ目を閉じるその様子は、ちょっと嬉しそう。
ソファを勧められて座ると、私のすぐ近くにワトソンも止まった。
「私も触っても大丈夫?」
「なら大丈夫かもな、撫でてみたらいいよ」
フワフワした茶色の羽に触れてみる。と、ワトソンが頭を私の手に擦り寄せてきた。よかった、嫌われてないんだろう。
本来鷹はかなりデリケートな動物らしく、人に触れられるのを嫌うみたい。
「へえ……ここまで懐くとは……」
「ワトソンは昨日私と白馬くんを会わせてくれた立役者だもんねー。ありがとう、ワトソン」
「ん?そうなのか?」
「昨日、ワトソンについてこいって言われた気がして、ついてったら白馬くんがいたの」
「ふーん……」