Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第16章 ふたりの蜜月*前編【赤井秀一】
「ちょっと、ほんとに……っあ!」
「ココはもう硬いが……?」
「ちが……ぅ、秀一さん……っ!」
胸の突起を指先できゅっと摘まれて、甘い刺激が身体を走る。絶対耐えなきゃ、と歯を食いしばる。
でも、優しく擦られると、気持ちよくて……
耳に舌を這わされて、端っこを唇で食まれて……ゾクゾクと震えが止まらない。
……これは、もう、ダメだ……
ふっ……と気が遠くなりかけて、身体から一瞬力が抜ける。でもその途端、浮き輪から手が離れ海に沈みかけたことで一気に平常心が戻ってきた。
「...っ!ダメ!溺れちゃう!戻りましょう!」
「溺れる程良かったか」
「だから……!もう!」
「おっ……と、おい!!」
ニヤリと笑う秀一さんのお腹を蹴ってバンガローの方へ向かって一目散にバタ足で戻る。
行きとは違って魚達は逃げるようにわたしの周りから放射状にピューっと離れていく。
……危なかった。海の中でなんて有り得ない。いや、ほんとに……流される所だった。
悔しいかな、秀一さんの方が泳ぐのが圧倒的に速くてすぐに追いつかれてしまうのだけれど……
結局秀一さんの後に続いてハシゴを上ってバンガローに戻ると、タオルで濡れた身体をしっかり拭く間もなく、身体は秀一さんに持ち上げられて宙に浮き部屋の中へ……どうやらお風呂場へ直行のようだ。
おでこにキスをひとつされて、浴室のタイルの上に降ろされた。
さて、じゃあ水着を脱ぎますか、と思いきや背後から回ってきた秀一さんの両腕で身動きは封じられてしまった。おまけに腰の辺りには水着越しに怪しい感触……秀一さん、多分硬くなってる。今度はもう逃げられないか……
別に秀一さんとするのが嫌いな訳じゃない。だけど雰囲気も何もなく急に始められるのは……だけどだけど身を委ねてしまえば最高に甘い時間が始まるのも分かってはいる……
「ここなら良いだろう?」
「……我慢できない?」
「出来なくもないが……したくはないな」
「そう、ですか……っ……!」
また耳を甘く噛まれて舌を這わされ、反射的に身体が強ばる。
「したくないのか?」
「そ、いう訳じゃ、ないけど……」
「愛する妻をいつでも抱きたいと思うのは、普通のことだろう」
そんなこと、耳元で低い声で呟かれると全身の力が抜けそうになる……!