Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第15章 歪な感情……憩の場所【ジン】
今まで女に言い寄られることは数え切れん程あったが……自分から女に言い寄ったのも、しかもそれを快諾されない(少し考えさせてという言い方だったが)など、初めての経験だ。
俺の髪を間違いなく切る、気性も問題ねえ、美味いメシを作り、美味そうに食う、見た目も及第点。隣に置いておくのにこれ以上の女はそう居ない。
最初からアイツのことは美容師としては気に入っていた。店を出してやったのは、いつでも自分の髪を切れるよう、近くに置いておく為だ。
特定の女なんざ作る気はサラサラ無かったが、毎晩のメシが食えるなら、そんな関係も有りなのか、と突然頭に浮かんできた考え。
バーボンやベルモットなんかに知れたら厄介な事になりそうだが……まあ隠し通せばいいだろう。
今はの返答を待つしかないのか。
気付けばあの女の事ばかり考えている。これは、の言う“好き”ってやつとは違うのか?
恋愛感情というのはサッパリ分からねぇが……仮に恋人同士になれば、メシも食える上にを抱いてもいいということだ。
今までアイツを性の対象として見たことは無かったが、一度想像すると……最早そういう風にしか考えられなくなってきた。
俺はどうかしてしまったか……目の前に居もしない女の裸を脳裏で思い描き……ふと気付けば自分の下半身に手が伸びていた。ソコは既に熱を持ち、硬さを増し始めていた。