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Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】

第14章 一日頑張った貴女へ。【安室透】


流し台の前に立ち、食べ終わった食器を洗おうと腕まくりをしていた所、安室さんにスポンジは取り上げられた。


「僕が洗っておくから。はお風呂入ってきな」

「作ってもらったんだし洗い物くらい」

「こういうのは疲れてない方がやればいいだろ?今日はは頑張ったんだから」

「そう……?ありがとう……」


それなら、と、お言葉に甘えて、お風呂に入らせてもらう。

“疲れてない方がやればいい”って安室さんは言うけど、なんだかんだで彼に家事をしてもらう事の方が多いんじゃないかと思う……

いつもありがとう、と湯船に浸かりながら心の中で感謝の言葉を述べた。

しかし……ふくらはぎがパンパン。首も肩も硬い。
湯船の中で身体を解す。疲れた日はお湯に浸かるのが一番だな、と最近は思う。

一人で住んでた時はお湯を張る行為自体が面倒で、いつもシャワーだけで済ませてたけど。
安室さんと暮らし始めてからだ。今ではゆっくりお風呂に入る習慣が染み付いた。

お風呂から上がれば、身体も若干軽く感じる。

リビングに戻ると、彼はソファでテレビを見ながら寛いでいるようだった。いつもの通りその隣に座って、大きく手足を伸ばす。


「んーーーっ!今日はがんばった!」

「いつもよくやってるよ、は」

「今日に関しては我ながら本当によくやったと思うよ……」

「えらいえらい。じゃあ……よし。ほら、手」

「えっ!いいの?」

「今日はめちゃくちゃ頑張ったんだろ?これは僕からのご褒美」


彼がこちらに向けて手のひらを広げてきた。つまりそこに手を乗せろって事で。それはつまり今から私は彼にマッサージをしてもらえるって事なのだ。

意気揚々と手を差し出せば、指に指が引っ掛けられ、ハンドマッサージの始まりだ。


「結構、張ってるな」

「やっぱり?……っ、あー……気持ちい……」


控えめに言って最高、至福のひとときだ。両手が終われば次は首、肩、背中、腰……そして脚へと続く。今日はフルコースのようだ。


「ほんと……安室さんって上手……あぁ……」

「はやり甲斐あるっていうか……まあ、気持ち良さそうにしてくれるしな」

「うん……ほんと……きもちい……」


ソファで仰向けになって、脚を下から上へ向かって徐々に揉み上げてもらう。これ、本当に気持ちいい。
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