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Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】

第12章 助けて!お巡りさん!【諸伏景光】


今日の夕方、道で出会った女の子、。

実は「すいませーん!」と声を掛けられる前から彼女の存在は目に入っていた。
俺は警ら中だったから、当然通行人の様子を見ながら自転車をこいでた訳で・・・彼女を見かけた瞬間、可愛い子だな、と認識はしていた。

まさかその子に声を掛けられるとは、しかも窃盗に遭ってたとか・・・そして今こうやって二人で酒を飲むことになるなんて・・・その時は思いもしなかった。


そりゃあ、できるものならお近付きになりたかった。けど困っている一般人とそれを助ける警官として関わってしまった以上、それはおかしな話だ。
彼女が今日を無事に過ごし、明日ちゃんと家に帰れればそれでいいのだと自分に言い聞かせた。

しかしだ、しかし。松田が女の子に飛び付くのはいつもの事だとしても、あのゼロまで彼女の事を気に入ってる様子だったのだ。
ゼロは澄ました優等生ぶった顔してたが、あれは絶対を気に入ってた。これには焦った。

ゼロがその気なら、俺だって黙ってはいられない。



結果、彼女との一夜を賭けた争奪戦を俺が制し、今こうして二人で家の近所のバーに居る。

情けない理由だが、家に帰ったらすぐにでも抱きたくなってしまいそうで・・・理性をコントロールする自信がないからとりあえずココに連れてきたのだ。

今夜限りの関係になるとは言え、いかにもカラダ目的みたいな風に思われるのも寂しいだろ?



それにしても・・・はニコニコ楽しそうに俺の話を聞いてくれたり、たまに目を丸くして驚いたり、不思議そうな顔をして店内の珍しい酒の種類が書かれた黒板を眺めていたり・・・見ていて飽きない。おまけに話も無理なく弾む。

・・・俺はに特別な感情を持っているのかもしれない。
でもそんな気を持った所で、どうせ俺らは明日にはサヨナラだ、お互いに良い夜を過ごして、後腐れなく別れるのがいいに決まってるんだから・・・そういう感情は振り払った。



二杯目の酒がなくなったタイミングで店を出ると、空から雪が舞ってきていた。

は「雪ー!きれーい!」とはしゃぐ。
自宅までの僅かな距離を歩きながら、俺は雪より彼女ばかり見ていた気がする。
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